織本:う〜ん、手詰まりだな。……えーっと、持ってきた日記があるじゃないですか。もう一度丹念に読んでみます。
キーパー:時刻は18:00を過ぎました。 織本:“身体の一部”を捧げれば……? そこがもう生き残る唯一の道か? 自殺(戸張源吉)、事故(肥田健司)、事故(摩周厚志)。肥田の事故の様子ってどうなんだっけ? キーパー:高速道路で東京に向かっている途中で起こしたもので、物損です。見晴らしのいい直線で、突然ハンドルを切って、側壁に激突したんだそうです。居眠りだったのではないか、と報道されています。 織本:う〜ん。とりあえず夕飯食って帰ります。 キーパー:帰宅しました。 織本:家の周辺を見回して、部屋の周辺を見回して。変化なし? じゃあ、寝る前にネットで昼間調べてみた事を検索してみます。ゴミ情報がいっぱい引っかかってくるだろうけど、根気良く潰していきます。 キーパー:分かりました。マウスをカチカチとやっていく内に……CONの3倍ロールを。 織本:(コロコロ)失敗! キーパー:モニタを眺めている内に、最近の寝不足も祟って、突っ伏して眠ってしまったようです。 織本:寝落ちしちゃったって感じだね。 ![]() 織本:……っ! キーパー:どうやら、誰かがあなたの後ろに立っているようです。 織本:来たか……ひひ。 キーパー:今まで何度かちらちらと見かけては追う事が出来なかった、あの灰色のコートの大男です。 織本:振り向きざまに、ガバッと立ち上がります。 キーパー:大男はあなたに詰め寄ってきます。 織本:「あんた、一体誰なんだ!?」と叫びます。 キーパー:「……黄ノ印 ヲ 返シテ モラオウ」。一応SANチェックですかね。 織本:そうだね、そうだよね(コロコロ……成功)。 キーパー:1ポイント喪失ですね。 織本:「摩周と肥田を殺したのはあんたか!?」。 キーパー:「黄ノ印 ヲ 返セ!」。 織本:「俺の質問に答えろ!」。 キーパー:……ガシャーン、ガシャーン! 腕を振り回して殴りかかってきます。 織本:うわぁ〜〜〜! <回避>、<回避>! 成功! ヒラリ! キーパー:本棚に腕が当たると、それがひっくり返ります。殴りかかるというよりも、まさに腕を振り回すような感じですね。 織本:うう! 殺されてはかなわないので、部屋から逃げ出します。 キーパー:大男は大暴れ中です。その脇を抜けて玄関に向かうと、背後で聞こえていた大きな物音がぴたりと止みました。 織本:……? キーパー:そしてあなたの目の前で、粒子が集まって、大男がパッと現れました。これを見てSANチェックを。 織本:(コロコロ、失敗)……。 キーパー:では1D2で(※1ポイント失いました)。 織本:クソッ、実体じゃないのか! 逃げられないのか!? キーパー:どうやらコイツが“守り手”と呼ばれていた奴なんでしょうね。 織本:だろうねぇ。……ポケットからペンダントを出して、自分の髪の毛を引っこ抜きます。これで良いのか分かんないけど、差し出して「これを返すから!」と叫びます。 キーパー:守り手は差し出されたものをガッとひったくります。すると今度は守り手の手の上の印が粒子化して、パァーっと消えて行きました。残ったのはあなたの髪の毛ですが、それを見ると彼は満足気に頷いて、ドサッと倒れます。 織本:「……もしもし?」。 キーパー:そして鼻がひん曲がりそうな悪臭を放つ黒い腐液がサーッと廊下と玄関に広がっていきます。アレです、隊長の言う「腐敗汁」です。 織本:……勘弁してくれ(泣)。 キーパー:残るのは骨と、ぼろぼろに腐敗した皮膚と、蛆虫と、腐敗汁です。大男は、これらのカタマリだったんでしょう。それを見て正気度ロールを(※1ポイント喪失しました)。 織本:オエーッとなって、「あのブログのまんまだ〜」と言いながら掃除します(泣)。 キーパー:腐乱死体が残りましたが、とりあえずは助かったので、後は鷲羽先輩にでも訳を話せば何とかしてくれるかもしれません。彼のコネには「後始末の鵠井」もいますしね。隊長が来て、特殊清掃してくれました。 織本:しばらくは他のSF研の知り合いの家を泊まり歩きます(泣)。 キーパー:その日以降、あの“黄の印の守り手”が目の端に現れるような事はなくなりました。摩周君と肥田君は事故として処理されます。 後日、九州の呉家との会合を終えて帰郷した鷲羽先輩から聞かれます。「何でこんな事が起こっちまったの?」。 織本:事情を説明します。小関の日記を見せて「いやぁ、髪の毛で行けるかどうかはドキドキだったんですけど」。 キーパー:「なるほど。でも、その髪の毛っていうアイデアはシナリオで定められている一番の解決法だったらしいぜ」。 織本:「え!? マジ!?」。 キーパー:それから「この紙束(※小関修二郎の日記)は貸しておいてくれ」と言われて、二度と戻ってきません。 織本:やっぱり……(笑)。 キーパー:先輩は、それからガヤルドに乗って去っていきます(※ムルシエラゴは飽きたらしい)。去り際にこんな言葉を残して。 「Have you found the Yellow Sign?」 (了) |