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アクシデント…?

思い出したくもない、あの時。



織本う〜ん、手詰まりだな。……えーっと、持ってきた日記があるじゃないですか。もう一度丹念に読んでみます。

……私に“名状し難きもの”を調べるように勧めたヰル=ヌフングルの悪魔との会話を試みる……
……そして、湖に泳ぐものが泡立てる時、直後にそれを凝視するのは賢いことではない……
……(判読不能)家の呪術師は、神聖な印が冒涜的な者の手に落ちた時に現れる黄の印の守り手について知っていることを私に話した……
……名状し難きものへの約束を交わした者には、印は偉大なる力を与えるだろう……
……守り手は2つを求める、冒涜された印と冒涜者それ自身、しかし冒涜者の身体の一部でも飢えは満たされるだろう……
……今夜、私は我が主に会いに行く。黒田が詮索しているが、奴の行動など些細なものだ……

キーパー:時刻は18:00を過ぎました。
織本身体の一部”を捧げれば……? そこがもう生き残る唯一の道か? 自殺(戸張源吉)、事故(肥田健司)、事故(摩周厚志)。肥田の事故の様子ってどうなんだっけ?
キーパー:高速道路で東京に向かっている途中で起こしたもので、物損です。見晴らしのいい直線で、突然ハンドルを切って、側壁に激突したんだそうです。居眠りだったのではないか、と報道されています。
織本う〜ん。とりあえず夕飯食って帰ります。
キーパー:帰宅しました。
織本家の周辺を見回して、部屋の周辺を見回して。変化なし? じゃあ、寝る前にネットで昼間調べてみた事を検索してみます。ゴミ情報がいっぱい引っかかってくるだろうけど、根気良く潰していきます。
キーパー:分かりました。マウスをカチカチとやっていく内に……CONの3倍ロールを。
織本(コロコロ)失敗!
キーパー:モニタを眺めている内に、最近の寝不足も祟って、突っ伏して眠ってしまったようです。
織本寝落ちしちゃったって感じだね。
黄の印の守り手キーパー:では眠ってしまったんですが、メールを受信した「ピロリロリ〜ン♪」という音で目を覚まします。モニタはスクリーンセーバーになっていて、背後の電気の豆球って言うんですかね? それが画面に映りこんでいます。そしてそれと一緒に、人の顔も真っ暗な画面に映りこんでいます。
織本……っ!
キーパー:どうやら、誰かがあなたの後ろに立っているようです。
織本来たか……ひひ。
キーパー:今まで何度かちらちらと見かけては追う事が出来なかった、あの灰色のコートの大男です。
織本振り向きざまに、ガバッと立ち上がります。
キーパー:大男はあなたに詰め寄ってきます。
織本「あんた、一体誰なんだ!?」と叫びます。
キーパー:「……黄ノ印 ヲ 返シテ モラオウ」。一応SANチェックですかね。
織本そうだね、そうだよね(コロコロ……成功)。
キーパー:1ポイント喪失ですね。
織本「摩周と肥田を殺したのはあんたか!?」。
キーパー:「黄ノ印 ヲ 返セ!」
織本「俺の質問に答えろ!」。
キーパー:……ガシャーン、ガシャーン! 腕を振り回して殴りかかってきます。
織本うわぁ〜〜〜! <回避><回避>! 成功! ヒラリ!
キーパー:本棚に腕が当たると、それがひっくり返ります。殴りかかるというよりも、まさに腕を振り回すような感じですね。
織本うう! 殺されてはかなわないので、部屋から逃げ出します。
キーパー:大男は大暴れ中です。その脇を抜けて玄関に向かうと、背後で聞こえていた大きな物音がぴたりと止みました。
織本……?
キーパー:そしてあなたの目の前で、粒子が集まって、大男がパッと現れました。これを見てSANチェックを。
織本(コロコロ、失敗)……。
キーパー:では1D2(※1ポイント失いました)
織本クソッ、実体じゃないのか! 逃げられないのか!?
キーパー:どうやらコイツが“守り手”と呼ばれていた奴なんでしょうね。
織本だろうねぇ。……ポケットからペンダントを出して、自分の髪の毛を引っこ抜きます。これで良いのか分かんないけど、差し出して「これを返すから!」と叫びます。
キーパー:守り手は差し出されたものをガッとひったくります。すると今度は守り手の手の上の印が粒子化して、パァーっと消えて行きました。残ったのはあなたの髪の毛ですが、それを見ると彼は満足気に頷いて、ドサッと倒れます。
織本「……もしもし?」。
キーパー:そして鼻がひん曲がりそうな悪臭を放つ黒い腐液がサーッと廊下と玄関に広がっていきます。アレです、隊長の言う「腐敗汁」です。
織本……勘弁してくれ(泣)。
キーパー:残るのは骨と、ぼろぼろに腐敗した皮膚と、蛆虫と、腐敗汁です。大男は、これらのカタマリだったんでしょう。それを見て正気度ロール(※1ポイント喪失しました)
織本オエーッとなって、「あのブログのまんまだ〜」と言いながら掃除します(泣)。
キーパー:腐乱死体が残りましたが、とりあえずは助かったので、後は鷲羽先輩にでも訳を話せば何とかしてくれるかもしれません。彼のコネには「後始末の鵠井」もいますしね。隊長が来て、特殊清掃してくれました。
織本しばらくは他のSF研の知り合いの家を泊まり歩きます(泣)。

キーパー:その日以降、あの“黄の印の守り手”が目の端に現れるような事はなくなりました。摩周君と肥田君は事故として処理されます。
 後日、九州の呉家との会合を終えて帰郷した鷲羽先輩から聞かれます。「何でこんな事が起こっちまったの?」。
織本事情を説明します。小関の日記を見せて「いやぁ、髪の毛で行けるかどうかはドキドキだったんですけど」。
キーパー:「なるほど。でも、その髪の毛っていうアイデアはシナリオで定められている一番の解決法だったらしいぜ」。
織本「え!? マジ!?」。
キーパー:それから「この紙束(※小関修二郎の日記)は貸しておいてくれ」と言われて、二度と戻ってきません。
織本やっぱり……(笑)。
キーパー:先輩は、それからガヤルドに乗って去っていきます(※ムルシエラゴは飽きたらしい)。去り際にこんな言葉を残して。

「Have you found the Yellow Sign?」
(了)