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「超・究極のBH」を創るのは
この新しい積み重ねスタイルのBHでは、ハコの隅々まで手が届きます。そこで、音道の至る所に、適当な部材を配置して、チューニングすることにより、様々に再生音を調節できます。
BHにおける吸音材は、一般に、ある特定の帯域を減衰させて、再生音を大人しくする方向に働きますが、音道の断面積や形状を変化させると、ふっくらした音、ハイスピードな音、傲然と唸る低音などを創り出すことができます。 BHはホーンとバスレフの折衷ともいわれます。このチューニングは、ホーンと見なしたときの広がり率を調節することだけでなく、バスレフと見たときのダクトを調節してることにも相当しているのでしょう。 再生音は、再生装置、その部屋の状況によって影響されます。人により、好みのソフト、ジャンルも異なります。さらに、周波数帯域について各人のレスポンスが一様ではありません。特定のスピーカーがすべての人にとって最善であるはずがありません。 これまで発表された多くのBHでは、手が届く空気室や開口部に、吸音材を使う位しかできず、ひたすらエイジングを待つのみでした。 一方、この積み上げスタイルのBHでは、ハコの隅々まで手が届き、能動的なチューニングにより、それぞれの好みにあった再生音に近づくことが可能です。 最終的に、「超・究極のBH」を創るのは、あなたのチューニング、すなわち、あなたの耳です。 チューニングの基礎となるデータ
出発は「究極のBH]とされるD-55を越えることでしたが、現状ではユニットの関係からD-58ESを越えることを目標にしましょう。
チューニングの方針は、D-58ESを参考にしながら、これに追いつき、そして、抜き去ることです。 そこで、先ず、両者のスペックを比較してみます。 表-1は、音道に関する長さのデータです。
表-2は、音道の断面積関係のデータです。
(無処置)は、補強材を付けない、スッピンのときの断面積と増加率です。180度折り曲げ部分を除いて、各音道の断面積はD-58ESより広く、チューニングで狭める余裕があります。 III 世(究極)は、D-58ESを参考にして、補強材で断面積を調節したときのデータです。 また、III 世(超究極)は、私の再生環境に合わせたときのデータです。 長岡先生の設計では、180度折り曲げ部分の断面積を、これに続く音道のそれより大きくしていることが注目されます。 表-2 各音道の断面積 (Sn cm^2) とその増加率 (Sn/Sn-1)
参考1~3 : 180度折り曲げ部分を無視した増加率 [---] : その音道後半の断面積 表-3は、空気室と180度折り曲げ部分の容積を示します。
180度折り曲げ部分の断面積は、III 世の方が小さいのに、容積は断然大きくなっています。
では、”最適化(究極)”で、D-58ESに追いつきましょう。
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