池袋ジュンク堂探検記

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4F

 4F以降はジュンク堂の一番のウリ、専門書関連のディープな世界が続いていく。 そこら辺の小さな取次よりもよっぽど品数が豊富だと言うから、このラインナップを見ると、よその大型書店では物足りなく感じがち。広い売り場面積をふんだんに利用していて、その強みが生きる所だ。

 4Fは歴史・教育・心理など人文系の専門書がずらりと並ぶ。専門書の類では一番俺の好みに合う所だ。

 

 エスカレーター前の奥はまず教育関係の書籍が並ぶ。教育の本と言っても各教科の指導法から生活指導、障害児教育、教育論などジャンルは様々。棚面積をたっぷりと使って充実の内容だ。なぜか棚の間を動いているお客さんは若い人が多い。と、よく考えてみれば一般の教員は年度末の忙しい時期だろうから、平日にそんなに見かけるわけがない。ということは教育学部の学生さん達が中心でしょうか。

 障害児教育の棚は、大半が発達障害や知的障害を扱った物。今もっとも注目が集まって、困難を極めているジャンルなんだろう。身体障害や、視覚、聴覚障害教育についての本にくらべて、発達障害関連の本の多いこと。理論書から教育の実践書まで、内容も幅広い。
 また平積み用の棚には高機能自閉とかアスペルガーとか、専門家でも詳しい知識を持っている人が少ないような障害についての本がある。現場の先生の苦労が忍ばれる棚構成である。

 

 毎回ほとんど買わないくせにチェックだけは厳しくしている心理関係の書籍も、多少数は増えたが、大きな変化はナシ。それでも古典的なものから、最新のものまで、幅広くラインナップされている。よその書店では心理専門書と並んで普通に置かれている軽い読み物の類がしっかり分類されているのは、専門書を扱う書店らしい配慮だ。

 

 いつも読みたくてもどれから行っていいか悩むのが社会学や歴史についての本。今回はインターネットなどのメディアについてや、コミュニケーションなどに焦点を絞って人文系の本探しをしようと思っていたけど、これがなかなかいいのが見つからない。

  話題本のエリアに作られた「文化庁長官に就任!河合隼雄を読み解く」コーナーにげんなりしながら、続く、哲学、宗教の棚を眺める。

 世界史、日本史の棚もかなり冊数が豊富で充実している。世界史ではイギリス、フランスなど国別に集めた棚と、中世や古代など、時代にそって集めた棚もあって便利。いつも歴史の専門書を見ると、あれもこれも読みたいと思いつつ、その膨大な範囲に恐れをなしてくじけ気味なので、今回は、前に読んだ本から関連した時代の物を探すことに。

 取り合えず頭に浮かんだ、佐藤賢一『双頭の鷲』(新潮文庫:上下各781円)の時代に焦点を合わせるため、もう一度3Fに戻ってチェック。第1次百年戦争の前期を扱った書籍を探すが、これまたうまく見つからない。フランス、イギリスどちらの棚を見ても、近世以降の物が多く、百年戦争を扱った本が見あたらない。まあ、テーマが漠然としていたこともあって早々にあきらめ、色んな小説に出てくるのでなんとなくわかっているようでさっぱりわかっていないアイルランドの歴史についてS・マコール『アイルランド史入門』(証書店:2500円)をチェック。

 ずずいと奥へ進み、日本史書籍の一番奥まったところには、日本史資料の棚。神保町の古本屋街でも、素人はなかなか近寄れない雰囲気がある渋い古本屋で見かけるような、色あせた箱入りの資料が並ぶ。研究者なら目が輝くような物があるんでしょうが、研究者なら所属機関や大学などで調べるだろうし、実のところマニア向けか。当然人数はまばら。

 

 でもそのディープな品揃えの奥には新設されたCafeが姿を見せる。前は最上階に小さな喫茶コーナーみたいなものがあったけど、4階に移ったらしい。あとで様子を窺うことにして、頭に浮かんだ一服の欲求をひたすら無視しつつ5Fへ。