池袋ジュンク堂探検記

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8F

 8Fは語学、学習参考書、児童書のフロア。学習参考書は前はB1でコミックと一緒にあったと思ったけど、売り場面積の増加の影響がこんなところにも。

 エスカレーターを上がってきて、旧レジ前のコーナーの真っ赤な壁様の景色が目に飛び込んできて心臓に良くない。大量に並べられた赤本の集合だった。あれだけあるとなかなか壮観な眺め。

 

 語学関係は海外旅行に使える語学本なんかも多数揃っているので、曜日によって込み方も違うんだろうけど、さすがに一番奥、TOEIC、英検なんかのコーナーは人混みが。その隣の棚には日本語テキストなど、外国人が日本語を勉強するための書籍も結構充実して置いてあって、なるほど、と関心。語学の本として、日本語の書籍のことはつい忘れてしまいがちですな。

 学習参考書の棚は見れば見るほど嫌な記憶が甦ってきそうなので、軽く眺めて回る程度で通過。そういえば中学校の頃、「教科書ガイド」やら言う、各教科書の解説書があって、それを持って授業に出ると先生に当てられても大丈夫、という裏技アイテム話題になったことがあったけど、結局あまり利用されてなかった。来年度から教育課程がまた新しくなったので、教科書関連の書籍はずいぶん入れ替わるんだろうなぁ。

 注意を引いたのは、高校生用学習参考書に置かれた予備校発行と思われる問題集。やたらと題名に『前田の日本史』みたいに人の名前が入っているけど、あれはどういう事なんでしょうか。どこやらの予備校の有名な先生なんだろうけど、そんな銘入り参考書がそこらじゅうに置いてある。教育課程が変更になったり、受験戦争が低年齢化していくと、「綾小路の算数」とか、「本俵のひらがな」とかって参考書が売られるようになるんだろうか。

 

 一番奥にある児童書のコーナーは、子どもが見やすいようにという配慮からか、棚も低くなっていて雰囲気がいい。片隅には子どもが休めるような絨毯を敷いた読書スペースみたいなものもあって、いい感じ。そういえば同じ池袋のLIBROにも同様のコーナーがありました。

 児童書の棚を見ると、俺が子どもの頃に読んだような児童書が未だに並んでいて懐かしくなる。もちろん優れた新しい児童書だって沢山出てきているんだろうけど、残る物が残っている姿を見ると嬉しくなる。C・S・ルイスの「ナルニア国シリーズ」(岩波少年文庫)とか、ポプラ社、福音館の一連のシリーズなど、今でも我が家の本棚に残っている懐かしい顔ぶれが並ぶ。福音館の箱入り古典童話シリーズなんかは、J・ベルヌ『二年間の休暇』E・ネズビット『宝さがしの子どもたち』なんかも、これで読んだ。

 江戸川乱歩の「少年探偵シリーズ」(ポプラ社)は改訂された物も、昔ながらの装丁のも揃っていた。懐かしさに浸って幸せな気持ちになる。

 

 児童書コーナーには当然ながらまた『指輪物語』の特設コーナーが設置されている。指輪人気にあやかって売れ始めたらしき『ホビットの冒険』(岩波書店)も大量に陳列されているけど、驚くのはその種類の多さ。新書から単行本サイズ、原書房からは新訳らしき『ホビット−ゆきてかえりし物語』も出てるし、注釈付きの版もあわせると5〜6種類の同じ本が出てるあたりも、過熱ぶりが伺える。
 
それにしても岩波書店は、経営不振を立て直すために経営陣を派遣した鈴木書店が倒産したときには「ウチはつぶれません」なんて記者会見まで開き、業界では「鈴木書店を見殺しにした」なんて悪評も立ってるけど、指輪ブームの御陰で売れ筋をつかんで喜んでるんでしょうか。