池袋ジュンク堂探検記

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7F

 なんとなく、頭のいい人ばっかりが集いそうなベタな印象を持ちがちな、理工書を扱う7Fだけど、思いの外いい雰囲気。エスカレーター近くの農業本コーナーには、近くに鉢植えとかが置いてあって体にも良さそうなので、休憩にはおすすめです。

 

 農業コーナーの一番奥には畜産関係の棚。業界の人にとっては最も熱い話題な感じのBSE狂牛病関連の書籍が面置きになっていて納得。農業コーナーと言っても、その中身はその畜産から園芸、林業、森林、環境、植物関連と様々。本格的に農業をやっている人向けの本から、家庭農園クラスのもの、植物の育成本などが並んでいる。

 そのお隣、自然関連の書棚に移るに連れ、ビジュアル的にすがすがしい雰囲気が漂う。海洋関係の棚が真っ先に目に入って、水中の鯨の写真や、海の生き物たちの写真が載った本が多いので、疲れた体に癒し効果抜群である。

棚を見ていくうちに「昆虫」なんてエリアも当然あって、いきなり青木淳一『ダニの生物学』(東京大学出版会:7400円)が目に飛び込んできてびっくり。そしてその値段に再度ビックリ。ダニの生態の研究ってお金がかかるんだろうなぁ。

 また、書棚に無理矢理置いたようにも見える小動物のぬいぐるみが目を引く。落合けいこさんという人が作ったらしい、「やまね工房」というところ作成の小動物ぬいぐるみは本当に可愛くて、マウスの代わりにマウスパッドの上に置いておきたくなる感じ。専門諸関係の階になると、棚や壁の雰囲気にもそういう一工夫があって嬉しい。

 自然のエリア最後は進化論を経て宇宙関連。河島信樹監修、三品隆司とSTUDIO HETERO編の『図解SPACE ATLAS』(PHP研究所:1300円)は、値段も安く、宇宙に興味を持つ忘れ得ぬ子ども心を満足させてくれそうで、かなり興味を惹く。やはりそこはかとないロマンを感じる一冊。

 

 新刊話題本コーナーの先はいよいよ理学・工学書の棚が続く。壁際には科学一般の書籍が並ぶ中、ディープな理工書には量子力学、化学、電子工学や、無線関係らしき本などが続いている。無線本をじっくりと眺めていた、金色の毛皮のコートを着たおじさんの正体が気になって仕方がない。

 工学書の先に控えるのは、ISO、JIS関連を横目に見ながら建築、土木関係の本。最初に出てくるのは建築のコーナーだけど、これもかなりビジュアルに訴える書籍が多く陳列されている。ファッション系だけでなく、建築系の本も作りがおしゃれでセンスのいい物が多くて、中身が全然わからなくても楽しい。

 面白いのは、海外の建築家の本はその建築家の写真が表紙に大写しになっているのが多いこと。もちろん中身は彼の設計した建物などの写真が一杯あるんだけど、表紙に限っては「オレが作ったんだぞこんちくしょう!」と言わんばかりのアピールっぷり。
 それに比べると日本人の建築家の本は、表紙から建物写真の物が多いなぁ、と思っていたら、さすがは世界の安藤忠雄。あの浅黒いしかめっ面を満面のアピール。こういうところでも日本人離れな感じがステキ。

 ライティングのデザインを手がける石井幹子の『光無限』(リブロポート:5300円)は、表紙からその素晴らしいライティングの景色が見られる。俺は全然知らないんだけど、そのスジでは有名な人なのか、同じ棚に同じ人のライティングの写真が数多く並んでいる。表紙からそれを惜しげもなく出している点と、すっきり言葉が入ってきて思わず手にとってページを繰りたくなる題名から、『光無限』を一番にピックアップしたい。  

 奥まったところが土木関係の本、土木から河川へと続いていくけど、閑散としてました。