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<古代天皇国風諡号一覧>
01 神武天皇/02 綏靖天皇/03 安寧天皇/04 懿徳天皇/05 孝昭天皇/06 孝安天皇/07 孝霊天皇/08 孝元天皇/09 開化天皇/10 崇神天皇/11 垂仁天皇/12 景行天皇/13 成務天皇/14 仲哀天皇・氣長足(おきながたらし)姫尊(神功皇后)/15 応神天皇/16 仁徳天皇/17 履中天皇/18 反正天皇/19 允恭天皇/20 安康天皇/21 雄略天皇/22 清寧天皇/22-2飯豊天皇/23 顕宗天皇/24 仁賢天皇/25 武烈天皇/26 継体天皇/27 安閑天皇/28 宣化天皇/29 欽明天皇/30 敏達天皇/31 用明天皇/32 崇峻天皇/33 推古天皇・厩戸豊聡耳(うまやとのとよとみみ)皇子/34 舒明天皇/35 皇極天皇/36 孝徳天皇/37 斉明天皇/38 天智天皇/39 弘文天皇/40 天武天皇/41 持統天皇/42 文武天皇/43 元明天皇/44 元正天皇/45 聖武天皇/46 孝謙天皇/47 淳仁天皇/48 称徳天皇/49 光仁天皇/50 桓武天皇/51 平城天皇/52 嵯峨天皇/53 淳和天皇/54 仁明天皇
[このほど<古代天皇の諡号・宮都・父母兄弟・后妃・皇子名>シリーズが完結しましたので、この中の古代天皇の国風諡号のみを一覧として編集して読者のご参考に供することとしました(『日本書紀』、『続日本紀』に記載されていない天皇の国風諡号についても54仁明天皇まであわせて収録しました)。
なお、古典篇(その九)で紹介したように、天皇の和風名はすべてが崩後の諡号とは言えず、生前の尊号と考えられるものもありますが、ここでは一応すべて国風諡号として整理し、通称名、諱(いみな)、幼名など別名についても参考までに収録し、摂政の地位にあったと思われる神功皇后および厩戸皇子についても参考として収録しました。(本文中に列記した名の種類は注記しておりませんので、それぞれの本篇を参照してください。)
また、天皇の事績については、古典篇のそれぞれの項を参照して下さい。(本文中の漢風諡号で記された天皇の項(「01神武天皇」など)をクリックしてください。それぞれの古典篇にリンクしています。)
諡号等のポリネシア語による解釈は、原則としてマオリ語により、ハワイ語による場合には注を付しています。]
「カム・イア・マト・イ・ワレ・ヒコ・ホホ・テ・ミヒ」、KAMU(eat)-IA(indeed)-MATO(deep swamp)-I(past tense,beside)-WHARE(house,habitation,a division of an army)-HIKO(move at random or irregularly)-HOHO(prominent)-TE(the,emphasis)-MIHI(greet,admire)、「実に・大きな沼地がある地域(大和)を・征服した・各地を遍歴して・定住・した・とりわけて・特に・崇敬すべき(天皇)」
「ヒコ・ホホ・テ・ミヒ」、HIKO-HOHO-TE-MIHI(hiko=move at random or erregularly;hoho=prominent;te=the,emphasis,crack;mihi=greet,admire,sigh for)、「(新天地を求めて)あちこち遍歴した・卓越した・特に・尊敬すべき(または(安芸・吉備国に長期間滞在したことを)嘆いた。尊)」(「ミヒ」のH音が脱落して「ミ」となった。祖父(天津日高日子穂々出見命)の場合の「日子(ヒコ)」は「(釣り針を求めて)あちこち遍歴した」の意)
「タ(ン)ゴ」、TANGO(take up,acquire,remove)、「(何かを)求めた(または何かを求めて移動した。じっとして居られない。尊)」(NG音がN音に変化して「タノ」から「サノ」となった)
「ワカミヒ・ケ・ヌイ」、WHAKAMIHI-KE-NUI(whakamihi=commend,compliment,acknowledge,thank;ke=different,strange,unique;nui=large,many)、「非常に・卓抜していると・賞賛された(命)」(「ワカミヒ」の語尾のH音が脱落して「ワカミ」と、「ヌイ」のI音が脱落して「ヌ」となった)
「トイ・イオ・ミヒ・ケ・ヌイ」、TOI-IO-MIHI-KE-NUI(toi=move quickly,encourage;io=muscle,tough;mihi=greet,admire,sigh for;ke=different,strange,unique;nui=large,many)、「疲れを知らずに・敏速に行動した・非常に・卓抜していた・尊敬すべき(命)」
「ハ・ツクヌイ・チラツ」、HA-TUKUNUI-TIRATU(ha=what!;tukunui=main body of an army,large;tiratu=mast of a canoe)、「なんと・巨大な・カヌーのマスト(のように国を推進する。天皇)」
「カム・ヌナ・カワ・ミミヒ」、KAMU-NUNA-KAWA-MIMIHI(kamu=eat;(Hawaii)nuna=luna=high,above,foreman,boss,leader;kawa=heir,heap;(Hawaii)mimihi=intensive of mihi,to change one's course,to cease to do wrong)、「筆頭の・相続人(庶兄手研耳命)を・倒して・(自らの)運命を変えた(命)」(「ミミヒ」のH音が脱落して「ミミ」となった)
「タケ」、TAKE(stump,base of a hill,chief)、「堂々とした」または「氏族の首長である(にふさわしい)」
「チキ・ツ・ヒコ・タマ・テ・ミヒ」、TIKI-TU-HIKO-TAMA-TE-MIHI(tiki=apost to mark a place which was TAPU;tu=stand,settle;hiko=move at random or irregularly;tama=son,child;te=crack;mihi=greet,admire,sigh for)、「神聖な土地(磯城。生母河俣比売の居住地)に・住んでいた・各地を遍歴した者で・子供のときに・(母親から)引き離されて・悲しい思いをした(尊)」(「ミヒ」のH音が脱落して「ミ」となつた)
「オホ・イア・マト・ヒ・コ・ツキ・トモ」、OHO-IA-MATO-HI-KO-TUKI-TOMO(oho=wakeup,arise;ia=indeed;mato=deep swamp,deep valley;hi=raise,rise;ko=addressing to males and girls;tuki=pound,attack;tomo=be filled,enter,begin,assault)、「すっくと立っている(または急に皇太子となって驚愕した)・実に・大きな沼地がある地域(大和国)の・高貴な・男子で・(急に背中を)押されて・(皇太子の)地位に就いた(命)」(「タウ」のAU音がO音に変化して「ト」となった)
「ミヒ・マ・アツ・ヒコ・カエア・チネイ」、MIHI-MA-ATU-HIKO-KAEA-TINEI(mihi=greet,admire,sigh for;ma=go;atu=forwards;hiko=move at random or irregularly;kaea=wander,leader of a flight of parrots;tinei=put out,quench,destroy,kill)、「後悔した・ひたすら・前進する・各地を遍歴した者で・(渡り鳥の先頭に立つ鳥のような)指導者を・殺した(尊)」(「マ」のA音と「アツ」の語頭のA音が連結して「マツ」と、「カエア」のEA音がE音に変化して「カエ」となった)
「イア・マト・タラチ・ヒコ・クニ・オチ・ピト」、IA-MATO-TARATI-HIKO-KUNI-OTI-PITO(ia=indeed;mato=deep swamp,deep valley;tarati=spurt,splash;hiko=move at random or irregularly;(Hawaii)kuni=(Maori)tungi=set a light to,kindle,burn;oti=finished;pito=end,extremity,at first)、「実に・大きな沼地がある地域(大和国)の・全力を奮るった・(大和の地を追われて)各地を遍歴した・最初に・集落の火を・消した(国を亡ぼした。命)」
「オホ」、OHO(spring up,wake up,arise)、「(国を亡ぼして)驚愕して跳び上がった(命)」
「オホ・イア・マト・ネイ・コ・ヒコ・フ・ト・ヌイ」、OHO-IA-MATO-NEI-KO-HIKO-HU-TO-NUI(oho=wake up,arise;ia=indeed;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;hiko=move at random or irregularly;hu=desire;to=be pregnant;nui=large,many)、「すっくと立っている・実に・大きな沼地がある地域(大和国)の・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(天皇位を回復するための行動を起こした)・各地を遍歴した・大きな・(国を再興しその支配領域を拡大する)望みを・持っていた(尊)」
「オホ・イア・マト・ネイ・コ・ヒコ・クニ・クル」、OHO-IA-MATO-NEI-KO-HIKO-KUNI-KURU(oho=wake up,arise;ia=indeed;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;hiko=move at random or irregularly;(Hawaii)kuni=(Maori)tungi=set a light to,kindle,burn;kuru=strike with the fist)、「すっくと立っている・実に・大きな沼地がある地域(大和国)の・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(天皇位を回復するための軍事行動を起こした)・各地を遍歴して・(周縁の)国を・拳骨で殴った(武力で平定した)(尊)」
「ウアカハ・イア・マト・ネイ・コ・ヒコ・オホ・ヒヒ」、UAKAHA-IA-MATO-NEI-KO-HIKO-OHO-HIHI(uakaha=vigorous,difficult;ia=indeed;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;hiko=move at random or irregularly;oho=wake up,arise;hihi=pull up,draw up)、「精力的に・実に・大きな沼地がある地域(大和国)の・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(天皇位を回復しその権威を引き上げる行動を起こした)・各地を遍歴した・すっくと立っている・(大和朝廷の地位を)引き上げた(尊)」(「ウアカハ」のH音が脱落して「ワカ」となった)
「ミヒ・マキ・イリ・ヒコ・イノイ・ウエ」、MIHI-MAKI-IRI-HIKO-INOI-UE(mihi=greet,admire,sigh for;maki=invalid,sore;iri=be elevated on something,be published,a spell to influence or attract or render visible one at a distance;hiko=move at random or irregularly;inoi=beg,pray,prayer;ue=push,shake,affect by an incantation)、「疫病の蔓延(病人)を・悲しんで・夢占いをした・各地を遍歴した者で・巫覡に・神を祭らせた(尊)」(「ミヒ」のH音が脱落して「ミ」と、「イノイ」のOI音がI音に変化して「イニ」となった)
「ハ・ツクヌイ・チラツ」、HA-TUKUNUI-TIRATU(ha=what!;tukunui=main body of an army,large;tiratu=mast of a canoe)、「なんと・巨大な・カヌーのマスト(のように国を推進する。天皇)」
(参考)武埴安(たけはにやす)彦命
「タケ・ハニ・イア・ツ」、TAKE-HANI-IA-TU(take=stump,base of a hill,origin,chief;hani=a carved weapon used mainly by chiefs,speak ill of,disparage;ia=indeed;tu=stand,settle)、「堂々とした・(王しか持てない)特別の武器を・実に・持っていた(命)」または「堂々とした・本当に・悪人と謗られて・いた(命)」
「イ・クメ・イリ・ヒ・コ・イタ・チ」、I-KUME-IRI-HI-KO-ITA-TI(i=past tense,beside;kume=place name,pull,drag;iri=be elevated on something,be published,a spell to influence or attract or render visible one at a distance;hi=raise,rise;ko=addressing to males and girls;ita=fast,tight;ti=throw,overcome)、「来目の・地で・夢を見た(狭穂彦の反乱を知った)・身分の高い・男子で・堅い(三輪山の岩を)・粉々にした(天皇)」
「オホ・タラチ(タラ・チ)・ヒコ・オチ・ラウ・ワカイ(ン)ガ」、OHO-TARATI(TARA-TI)-HIKO-OTI-RAU-WAKAINGA(oho=wake up,be awake,arise;tarati=spurt,splash;(tara=point,peak,gossip,brisk;ti=throw,cast);hiko=move at random or irregularly;oti=finished,gone or come for good;rau=catch as in a net,entangle,project;wakainga=distant home)、「すっくと立つている・全力を奮るって(または<多くの后妃を持ち、記紀ともに80人におよぶ子を生したと伝える>ゴシップを・流した)・各地を遍歴(転戦)して・紛糾(反乱)を・解決した・遠いところを住居とした(尊)」(「ラウ」のAU音がO音に変化して「ロ」と、「ワカイ(ン)ガ」のAI音がE音に変化し、語尾のNGA音が脱落して「ワケ」となった)
「ワカタラ・チ・ヒ・コ」、WHAKATARA-TI-HI-KO(whakatara=gossip,scandal,chaff,banter;ti=throw,cast;hi=raise,rise;ko=addressing to males and girls)、「(先帝と異なって女性に興味を示さなかったという)ゴシップを・流した・身分の高い・男子(尊)」
「タラチ(タラ・チ)・ナ・カツア・ヒコ」、TARATI(TARA-TI)-NA-KATUA-HIKO(tarati=spurt,splash;(tara=point,peak,gossip,brisk;ti=throw,cast);na=by,belonging to;katua=adult,stockade distinguished from the outside fence and also from the inside fence;hiko=move at random or irregularly)、「全力を奮るった(または<神の託宣を信じなかったため急死したという>ゴシップを・流した)・(先帝の直系ではない)傍系の・各地を遍歴した(尊)」
「オキ・ナ・(ン)ガ・タラチ(タラ・チ)」、OKI-NA-NGA-TARATI(TARA-TI)((Hawaii)oki=divide,separate;na=belonging to;nga=satisfied,breathe;tarati=spurt,splash;(tara=point,peak,gossip,brisk;ti=throw,cast))、「(天皇家の血統と離れた)傍系の・(境遇に)満足して・いた(部族出身の)・全力を奮るった(または<不倫の子を天皇にしたという>ゴシップを・流した。姫)」(「(ン)ガ」のNG音がG音に変化して「ガ」となった)
「ハウムム・タ・ワカイ(ン)ガ」、HAUMUMU-TA-WAKAINGA(haumumu=silent;ta=dash,beat,lay;wakainga=distant home)、「静かに・急に(舞台へ)躍り出た・遠いところに住んでいた(尊)」(「ハウムム」のAU音がO音に変化し、反復語尾の「ム」が脱落して「ホム」と、「ワカイ(ン)ガ」のAI音がE音に変化し、語尾のNGA音が脱落して「ワケ」となった)
「オホ・トモ・ワカイ(ン)ガ」、OHO-TOMO-WAKAINGA(oho=be awake,arise;tomo=pass in,enter,begin,assault;wakainga=distant home)、「すっくと立っている・(反乱軍を)急襲した(または急に舞台へ躍り出た)・遠いところに住んでいた(尊)」(「ワカイ(ン)ガ」のAI音がE音に変化し、語尾のNGA音が脱落して「ワケ」となった)
「オホ・タタキ」、OHO-TATAKI(oho=spring up,wake up,arise;tataki=take to one side,take food from the fire,gannet,glairy,racy)、「(菟道稚郎子が自殺したと聞いて)びっくりして跳び上がった・(皇位に就くことを)固辞していた(尊)」または「(菟道稚郎子が自殺したと聞いて)びっくりして跳び上がって・(程良く焼けた魚を火から下ろして食膳に載せるように)その時が到来して皇位に就いた(尊)」
「オホ・ヘイ・ノ・イ・タホ・ワカイ(ン)ガ」、OHO-HEI-NO-I-TAHO-WAKAINGA(oho=spring up,wake up,arise;hei=go towards,turn towards,be requited;no=of;i=past tense,beside;taho=yielding,weak;wakainga=distant home)、「(住吉仲皇子の襲撃を受けて)びっくりして跳び上がって・(部下の)言うなりになって・逃げ出した・遠いところに住んでいた(尊)」(「ヘイ」のH音が脱落して「エ」と、「ワカイ(ン)ガ」のAI音がE音に変化し、語尾のNGA音が脱落して「ワケ」となった)
「ミヒ・ツハ・ワカイ(ン)ガ」、MIHI-TUHA-WAKAINGA(mihi=greet,admire,sigh for;tuha,tuwha=distribute,spit;wa=definitespace,area;kai=eat,anything produced in profusion)、「(皇太子の大兄去来穂別尊に命じられて兄の住吉仲皇子を殺すという)貢献をして・(そのことを)嘆いた・遠いところに住んでいた(尊)」(「ワカイ(ン)ガ」のAI音がE音に変化し、語尾のNGA音が脱落して「ワケ」となった)
「タ・チヒ」、TA-TIHI(ta=dash,beat,lay;tihi=summit,top,topknot of hair,lie in a heap)、「高台に・在る(地域。河内国丹比(たぢひ)郡の地域。そこに住む尊)」または「タ・チヒ」、TA-TIHI(ta=dash,beat,lay;tihi=summit,top,topknotof hair,lie in a heap)、「(巫女の)頭髪(の髷)を・住処とするもの(蝮(まむし)。住吉仲皇子を直接攻めることなくその部下を買収して殺させるという卑劣な手段を用いた・蝮のような尊)」
「アウ・アタ・ツマ・ワク・コ・ノ・ツクヌイ」、AU-ATA-TUMA-WAKU-KO-NO-TUKUNUI(au=firm,sound,intense;ata=clearly,openly,gently;tuma=challenge,abscess;waku=scrape;ko=addressing to males and girles;no=of;tukunui=main body of an army,large)、「(氏姓の)呼称の・乱れによる悪弊(かさぶた)を・ぬぐい去って・正しく・定めた・強権を行使した(尊)」(「アウ」のAU音がO音に変化して「オ」となった)
「ア・ナホ」、A-NAHO(a=the...of,belonging to;naho=hasty,quick in speech or action)、「軽率に・事を運んだ(行動に・慎重さを欠いていた。皇子・天皇)」または「アナ・ホ」、ANGA-HO(ana=denoting continuance of action,denotes a temporary condition or a continuing action;ho=droop)、「(最初は勢いが良かったが、治政の)途中で・(うなだれた)殺された(皇子・天皇)」
「オホ・パツ・テ・ノ・ウアカハ・タケ」、OHO-PATU-TE-NO-UAKAHA-TAKE(oho=start from surprise,wake up,arise;patu=screen,wall,edge,strike,kill;te=crack,emphasis;no=of;uakaha=vigorous,difficult;take=stump,base of a hill,origin,chief)、「(安康天皇が殺されたと聞いて)びっくりして跳び上がって・(眉輪王および兄達や、他の人々を)殺し・まくった・元気が良い・どっしりとした(偉大な。尊)」(「パツ」のP音がF音を経てH音に変化して「ハツ」と、「ウアカハ」のH音が脱落して「ワカ」となった)
白髪武廣國押稚日本根子(しらかのたけひろくにおしわかやまとねこ)尊
「チラ・アカ・ノ・タケ・ヒロウ・クニ・オチ・ワカ・イア・マト・ネイ・コ」、TIRA-AKA-NO-TAKE-HIROU-KUNI-OTI-WAKA-IA-MATO-NEI-KO(tira=row,fin of fish,rays,beam;aka=long and thin roots of trees or plants;no=of;take=absent oneself,crooked;hirou=rake,net for dredging shellfish;(Hawaii)kuni=(Maori)tungi=set a light to,kindle,burn;oti=finished;waka=crew of a canoe,tribe;ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls)、「光線のような・(植物の根に似た)白く細い(頭髪)・の・国の・(星川王の反乱を)根こそぎにする(平定する)のに・立ち会わなかった(部下に任せた)・一族(の血統)を・終わらせた(子孫が無かった)・実に・深い湿地がある(大和国)の・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(恐らく皇太子を定めずに崩じたため、大きな騒ぎを引き起こし、飯豊皇女から第23代顕宗天皇に至るまでの間、大和国を混乱させた。尊)」(「チラ」の語尾のA音と「アカ」の語頭のA音が連結して「チラカ」から「シラカ」となった)
「チラ・アカ・ノ・オホ・イア・マト・ネイ・コ」、TIRA-AKA-NO-OHO-IA-MATO-NEI-KO(tira=row,fin of fish,rays,beam;aka=long and thin roots of trees or plants;no=of;oho=start from surprise,wake up,arise;ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls)、「光線のような・(植物の根に似た)白く細い(頭髪)・の・(兄の星川皇子が乱を起こして)びっくりして跳び上がった・実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(恐らく皇太子を定めずに崩じたため、大きな騒ぎを引き起こし、飯豊皇女から第23代顕宗天皇に至るまでの間、大和国を混乱させた。尊)」(「チラ」の語尾のA音と「アカ」の語頭のA音が連結して「チラカ」から「シラカ」となった)
「イヒ・トイ・イオ・ノ・アオ」、IHI-TOI-IO-NO-AO(ihi=split,separate;toi=move quickly,encourage;io=muscle,tough,obstinate;no=of;ao=daytime,bright,cloud,dawn,scoop up,be right,bark)、「(天皇不在の)隙間を・疲れを知らずに・駆け抜けた(短期間天皇を代行した)・(夜が明けたように)次第に明るくなった(皇女)」
「アオ・ミヒ」、AO-MIHI(ao=daytime,bright,cloud,dawn,scoop up,be right,bark;mihi=greet,admire,sigh for)、「(夜が明けたように)次第に明るくなった・尊敬すべき(皇女)」(「ミヒ」のH音が脱落して「ミ」となった)
「ワウ・カイ」、WAU-KAI(wau=quarrel,discuss;kai=fulfil its proper function,have full play)、「議論好きで・(何事にも)全力で事に当たつた(尊)」(「ワウ」のAU音がO音に変化して「ヲ」と、「カイ」のAI音がE音に変化して「ケ」となった)
「クメ・ノ・ウアカハ・コ」、KUME-NO-UAKAHA-KO(kume=pull,drag,stretch,asthma;no=of;uakaha=vigorous,difficult;ko=addressing to males and females)、「(先頭に立って人を)引っ張る・元気の良い・男子」(「ウアカハ」のH音が脱落して「ワカ」から「ワク」となった)
「ワウ・カイ・ノ・イ・ワツ・ワカイ(ン)ガ」、WAU-KAI-NO-I-WHATU-WAKAINGA(wau=quarrel,discuss;kai=fulfil its proper function,have full play,no=of;i=past tense,beside;whatu=stone,kernel,pupil of the eye,weave garment or basket etc.;wakainga=distant home)、「議論好きで・(何事にも)全力で事に当たつた・王で・(自らの)朝廷を作り上げた・遠いところに住んでいた(命)」(ワウ」のAU音がO音に変化して「ヲ」と、「カイ」のAI音がE音に変化して「ケ」と、「ワカイ(ン)ガ」のAI音がE音に変化し、語尾のNGA音が脱落して「ワケ」となった)
「アウ・カイ」、AU-KAI(au=firm,intense;kai=fulfil its proper function,have full play)、「着実に・(何事にも)全力で事に当たつた(尊)」(「アウ」のAU音がO音に変化して「オ」と、「カイ」のAI音がE音に変化して「ケ」となった)
「オホ・チ」、OHO-TI(oho=start from fear,wake up,begin speaking;ti=throw,cast)、「(父王が殺されて)びっくりして・(地方へ)逃げ出した(王)」または「オ・ホ・チ」、O-HO-TI(o=the...of,belonging to,(Hawaii)to answer,say,talk;ho=put out the lips,shout;ti=throw,cast,overcome)、「口から泡を・飛ばして・(熱心に)しゃべった(弘計王を諫めた。王)」
「オホ・ツ」、OHO-TU(oho=start from fear,wake up,begin speaking;tu=fight with,energetic)、「(清寧天皇の崩後天皇の位につけられそうになって)びっくりして・(功績がある弟が天皇になるべきだとして)熱心に説いた(王)」または「オ・ホ・ツ」、O-HO-TU(the...of,belonging to,provisions of a journey,(Hawaii)to answer,say,talk;ho=put out the lips,shout;tu=fight with,energetic)、「口を尖らせて・熱心に・しゃべった(弘計王を諫めた。王)」
嶋郎(しまのいらつこ。顕宗即位前紀には嶋稚子(しまのわくご))
「チマ・(ン)ガウ・イラ・ツ・コ」、TIMA-NGAU-IRA-TU-KO(tima=a wooden instrument for cultivating the soil;ngau=bite,hurt,attack;ira=freckle,mole,life principle;tu=stand,settle;ko=addressing to males and females)、「掘り棒で掘り・進むような(丹念に相手の主張を論破してゆく)・信念を・持っていた・男子」(「(ン)ガウ」のNG音がN音に、AU音がO音に変化して「ノ」となった)
「ウアカハ・コ」、UAKAHA-KO(uakaha=vigorous,difficult;ko=addressing to males and females)、「元気の良い・男子」(「ウアカハ」のH音が脱落して「ワカ」から「ワク」となった)
「オ・パツ・テ・ノ・ウアカハ・タタキ」、O-PATU-TE-NO-UAKAHA-TATAKI(o=the...of,belonging to;patu=screen,edge,strike,beat, kill;te=crack,emphasis;no=of;uakaha=vigorous,difficult;tataki=take to one side,take out of the way,take food from the fire,gannet,racy)、「実に・(専横を極めていた大臣平群眞鳥臣と子鮪を)殺し・まくった・元気な・(反対勢力がいなくなった)頃合いを見計らって皇位に就いた(尊)」(「パツ」のP音がF音を経てH音に変化して「ハツ」と、「ウアカハ」のH音が脱落して「ワカ」となった)
「ワウ・ホト」、WHAU-HOTO(whau,whawhau=tie;hoto=begin,make a convulsive movement,be apprehensive,suspicious)、「(大伴金村大連が派遣した使者の招請の真意に対する)疑念に・縛られていた(尊)」または「(皇統を)繋ぎ止めて・(新王朝を)創始した(尊)」(「ワウ」のAU音がO音に変化して「ヲ」となった)
「ヒコ・フトイ」、HIKO-HUTOI(hiko=move at random or irregularly,flash as lightning;hutoi=stunted,growing weakly,dishevelled)、「(都を)あちこち移動した・(大和へ入るのを)躊躇していた(尊)」(「フトイ」の語尾のI音が脱落して「フト」となった)
「ヒロウ・クニ・オチ・タケカ・ナヒ」、HIROU-KUNI-OTI-TAKEKA-NAHI(hirou=rake,net for dredging shellfish;(Hawaii)kuni=to burn,kindle;oti=finished;takeka=slovenly of weaving;(Hawaii)nahi=some,few,little)、「滅亡した(支配者が居なくなった)・居住地(屯倉)を・(熊手で)かき集めた・(自らの家庭を治めることについては)少々・だらしがなかった(尊)」(「ヒロウ」のOU音がO音に変化して「ヒロ」となった)
「マ(ン)ガリ・ノホ・オホ・ヘイ」、MANGARI-NOHO-OHO-HEI(mangari=luck,fortune;noho=sit,settle;oho=spring up,wake up,arise;hei=go towards)、「幸運に・恵まれた(兄弟の中で最初に皇位に就いた。または内外で大きな事件が無かった)・すっくと立って・(弟達の)前を進む(皇子)」(「マ(ン)ガリ」のNG音がG音に変化して「マガリ」と、「ノホ」のH音が脱落して「ノ」と、「ヘイ」のH音が脱落して「エイ」から「エ」となった)
「タケオ・ヒロウ・クニ・オチ・タタイ」、TAKEO-HIROU-KUNI-OTI-TATAI(takeo=wearisome,trying,tedious;hirou=rake,net for dredging shellfish;(Hawaii)kuni=to burn,kindle;oti=finished;tatai=measure,arrange,adorn,plan,tactics)、「権謀術数を駆使して・滅亡させた(支配者が居なくなった)・国(居住地。屯倉)を・(熊手で)かき集めるのに・飽き飽きした(尊)」(「ヒロウ」のOU音がO音に変化して「ヒロ」と、「タタイ」のAI音がE音に変化して「タテ」となった)
「ヒ・ノホ・クマ・ノ・タカ・タ」、HI-NOHO-KUMA-NO-TAKA-TA(hi=raise,rise;noho=sit,settle;(Hawaii)kuma=cracking of the skin between fingers and toes;no=of;taka=heap,lie in a heap;ta=dash,beat,lay)、「(奈良盆地よりも)高い場所に・ある・(手足の指の間のような)丘陵の尾根の谷間・の・高い場所に・住む(尊)」(「ノホ」のH音が脱落して「ノ」となった)
「アマイ・クニ・オチ・ハラキ・ヒロウ・ニワ」、AMAI-KUNI-OTI-HARAKI-HIROU-NIWHA(amai=swell on the sea,giddy,dizzy;(Hawaii)kuni=to burn,kindle;oti=finished;haraki=preposterous,extraordinary;hirou=rake,net for dredging shellfish;niwha=resolute,fierce,bravery,rage)、「燦然と光り輝いている(天皇で)・滅亡した・国(任那)を・異常なことに・武力で強引に・(熊手で掻き集めるように)動かそうとした(再興しょうとした。尊)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」と、「ヒロウ」のOU音がO音に変化して「ヒロ」となった)
「ハルキ」、HARUKI(=harukiruki=extremely heavy,extreme depression)、「(大和朝廷にとって負担が過重な)とんでもないことに」
「ヌナ・クラ・ノ・フトイ・タマ・チキ」、NUNA-KURA-NO-HUTOI-TAMA-TIKI((Hawaii)nuna=luna=high,above,foreman,boss,leader;kura=red,ornamented with feathers,precious,treasure;no=of;hutoi=stunt,growing weakly,dishevelled;tama=son,eldestson,child;tiki=fetch,proceed to do anything,go for a purpose)、「赤い鳥毛で飾った(美しく装った)・指導者で・(自分の)子供(押坂彦人大兄皇子)を・(皇太子に)進めることを・躊躇した(天皇)」(「フトイ」の語尾の「イ」が脱落して「フト」となった)
「オ・タタ」、O-TATA(o=the...of,belonging to;tata=dash down,beat down,strike repeatedly)、「繰り返し(洪水の)被害を受けた・(平らな)土地(地域。そこに住んだ尊)」または「(欽明天皇に続き)再び・(仏法をないがしろにした)罰を蒙った(志半ばで病死した。尊)」または「オタ・タ」、OTA-TAota=unripe,uncooked;ta=dash,beat,lay)、「未熟な点が・あった(または国内情勢が熟しないのに・任那を再興しようとした。尊)」
「タハ・チ・パナ・ノ・トイ・アウヒ(オヒ)」、TAHA-TI-PANA-NO-TOI-AUHI(OHI)(taha=side,edge,pass on one side;ti=throw,cast,overcome;pana=thrust or drive away,expel,cause to come or go forth in any way;no=of;toi=tip,summit,origin;auhi=be humpered,be hindered,be distressed(ohi=grow,be vigorous(applied chiefly to childhood)))、「(仏教を)追放するかどうかの・瀬戸際に・立たされ・た・極めて・苦悩した(または幼少のころは大変元気であった。天皇)」(「タハ」のH音が脱落して「タ」と、「トイ」のI音と「アウヒ」のAU音がO音に変化した「オヒ」の語頭のO音が連結して「トヨヒ」となった)
「オホ・ヘイ」、OHO-HEI(oho=spring up,wake up,arise;hei=go towards,turntowards,be requited)、「すっくと立っている・(兄弟の先頭に立って)進んで行く(皇子)」(「ヘイ」のH音が脱落して「エイ」から「エ」となった)
「パツ・テ・ペ」、PATU-TE-PE(patu=screen,wall,edge,strike,kill;te=crack,emphasis;pe=crushed,soft)、「(穴穂部皇子や物部氏を)殺し・まくって・(挙げ句の果てに自分も)抹殺された(天皇)」
「ウアカハ・タタキ」、UAKAHA-TATAKI(uakaha=vigorous,difficult;tataki=take to one side,take food from the fire,gannet,glairy)、「元気が良い・(対抗馬が居なくなった)頃合いを見計らって皇位に就いた(天皇)」(「ウアカハ」のH音が脱落して「ワカ」となった)
「トイ・イオ・ミヒ・ケ・カチ・キ・イア」、TOI-IO-MIHI-KE-KATI-KI-IA(toi=move quickly,encourage,tip,summit,origin;io=muscle,tough,obstinate;mihi=greet,admire,sigh for;ke=strange,different;kati=leave off,be left in statu quo,block up,shut of a passage;ki=full,very;ia=indeed,current)、「疲れを知らずに・敏速に行動した(政務に精励した)・(夫の死を)嘆いて・変わったことに・何と・実に・(皇太子も後継者も定めずに)現状のまま放置した(天皇)」(「トイ」のI音と「イオ」の語頭のI音が連結して「トヨ」と、「ミヒ」のH音が脱落して「ミ」となった)
「ヌカ・タパエ」、NUKA-TAPAE(nuka=deceive,dupe;tapae=lay one onanother,present,invest)、「嘘を・言う(相手を後継者として考えているかのように思わせる、気を持たせる。皇女)」(「タパエ」のAE音がE音に変化して「タペ」から「タベ」となった)
「ウマ(ン)ガ・イア・ト・ノ・トイハウ・タウ・ミミヒ」、UMANGA-IA-TO-NO-TOIHAU-TAU-MIMIHI(umanga=pursuit,occupation,an incantation for the destraction of the enemy;ia=indeed,current;to=drag,be pregnant;no=of;toihau=head;tau=turn away,look in another direction,supervene of feeling;mimihi=frequentive mihi(mihi=greet,admire,sigh for))、「敵(物部守屋)軍を討滅する祈願を・実に・成就・した・頭を・巡らす(同時に何人もの人の話を聞き分ける)・感嘆してやまない(皇子)」(「ウマ(ン)ガ」の語尾のNGA音が脱落して「ウマ」と、「トイハウ」のH音が脱落し、AU音がO音に変化して「トヨ」となった)
「オキ・ナ・(ン)ガ・タラ・チヒ・ヒラウ・ヌカ」、OKI-NA-NGA-TARA-TIHI-HIRAU-NUKA((Hawaii)oki=divide,separate;na=belonging to;nga=satisfied,breathe;tara=point,peak,courage;tihi=summit,top,lie in a heap;hirau=entangle,pull down anything by engaging it in a forked stick,be caught;nuka=deceive,dupe,device,stratagem)、「(先帝の血統と離れた)傍系の・(境遇に満足して)悠々として・いた・最高に・抜きん出ていた(人物で)・策略をもって・(他の皇位継承候補者を)引きずり下ろした(自分が皇位に就いた。天皇)」(「(ン)ガ」のNG音がG音に変化して「ガ」と、「チヒ」のH音が脱落して「チ」から「シ」と、「ヒラウ」のAU音がO音に変化して「ヒロ」となった)
「タ・ムラ」、TA-MURA(ta=the...of,dash,beat,lay;mura=blaze,flame)、「輝いて・いる(皇子)」
「タカイ・チ」、TAKAI-TI(takai=wrap up,wind round;ti=throw,cast,overcome)、「(境部摩理勢の死により)風向きが変わって・(天皇の座に)就けられた(天皇)」または「(蘇我蝦夷によって)手足を縛られて(行動の自由を奪われて)・(天皇の座に)就けられた(天皇)」(「タカイ」のAI音がE音に変化して「タケ」となった)
「アマイ・トイ・イオ・タカ・ラ・イカ・チヒ・タラチ」、AMAI-TOI-IO-TAKA-RA-IKA-TIHI-TARATI(amai=swell on the sea,giddy,dizzy;toi=tip,summit,origin,move quickly,incite;io=muscle,tough,obstinate;taka=heap,lie in a heap,turn on a pivot,revolve;ra=wed,sun,sail;ika=fish,victim,warrior,cluster;tihi=summit,top,topknot of hair;tarati=spurt,splash)、「きらきらと輝く(ばかりの美貌の)・疲れを知らずに・駆け抜けた・最高の地位(天皇)に・重ねて就いた・(当時)最高の地位にあった・犠牲者(蘇我入鹿)の・血を迸ばしらせた(見殺しにした。天皇)」(「アマイ」のAi音がE音に変化して「アメ」と、「トイ」のI音と「イオ」の語頭のI音が連結して「トヨ」となった)
「タカ・ラ」、TAKA-RA(taka=heap,lie in a heap,turn on a pivot,revolve;ra=wed)、「高い地位(天皇)に・重ねて就いた(皇女)」
「アマイ・イホ・ロツ・トイ・オヒ」、AMAI-IHO-ROTU-TOI-OHI(amai=swell on the sea,giddy,dizzy(amaimai=nervous);iho=heart,inside;rotu=heavy,oppressive,favourable;toi=tip,summit,origin,move quickly,incite;ohi=grow,be vigorous applied chiefly to childhood)、「目立っていた(または神経質な)・(天皇位の重圧で)心が・重かった・(思い立つと)敏速に・(子供のように思慮なく)気ままに行動した(天皇)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」と、「イホ」のH音が脱落して「ヨ」と、「トイ」の語尾のI音と「オヒ」の語頭のO音が連結して「トヨヒ」となった)
「カル」、KARU(rags,spongy matter enclosing the seeds of a gourd,snare,eye,head)、「(スポンジのように)軟らかい(弱い性格の。皇子)」
35皇極天皇と同じ
「アマイ・ミコ・ト・ヒラ・カツア・ワカイ(ン)ガ」、AMAI-MIKO-TO-HIRA-KATUA-WAKAINGA(amai=swell on the sea,giddy,dizzy;miko,mimiko=gooseflesh,creeping sensation of flesh or skin from fear or sickness;to=drag;hira=numerous,great,important;katua=adult,stockade or main fence of a fort distinguished from the outside and from the inside,main portion of anything;wakainga=distant home)、「光り輝いている・(神懸かりになって託宣を下す)巫女(巫覡)を・統率する者で・重要な・中核の人物である・遠いところに住んでいた(天皇)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」と、「カツア」の語尾のA音が脱落して「カツ」から「カス」となった)
「カツア・ラ(ン)ギ」、KATUA-RANGI(katua=adult,stockade or main fence of a fort distinguished from the outside and from the inside,main portion of anything;rangi=sky,heaven,weather,tenor of a speech,chief,heart)、「中核の人物である・堂々と演説する(音吐朗々と弔辞を述べた。皇子)」(「カツア」の語尾のA音が脱落して「カツ」と、「ラ(ン)ギ」のNG音がG音に変化して「ラギ」となった)
「ナカ・ノ・オホ・ヘイ」、NAKA-NO-OHO-HEI((Hawaii)naka=to crack open;no=of;oho=spring up,wake up,arise;hei=go towards,turn towards,be requited)、「(舒明天皇・皇極天皇とその次の天皇との間を)分けて(中に)・いる・(兄弟の先頭に立って)進んで・行く(皇子)」
国風諡号なし
「イ・(ン)ガ」、I-NGA(i=past tense,beside;nga=satisfied,breathe)、「(太政大臣となって)満足して・いた(皇子)」
「オホ・トモ」、OHO-TOMO(oho=spring up,wake up,arise;tomo=be filled,enter,begin,assault,take by assault)、「(大海人皇子軍の)襲撃を受けて・びっくりして跳び上がった(皇子)」
「ア・マハ・ノ・ヌナ・ハラ・オキ・ノ・マ・ピト」、A-MAHA-NO-NUNA-HARA-OKI-NO-MA-PITO(a=the...of,belonging to;maha,mahamaha=liver,seat of affection;no=of;(Hawaii)nuna=luna=high,above,foreman,boss,leader;hara=a stick bent at the top used as a sign that a chief had died at the place;(Hawaii)oki=to stop,finish,extraordinary,wondrous,to cut,divid;ma=white,clear;pito=end,extremity,at first)、「肝がすわって・いる・指導者で・(皇位を巡る争いで死者を)墓(に埋葬すること)は・終わりにした・清らかなことは・第一の(天皇)」(「マハ」のH音が脱落して「マ」と、「ピト」のP音がF音を経てH音に変化して「ヒト」となった)
「オホ・チ・ア・マハ」、OHO-TI-A-MAHA(oho=spring up,wake up,arise;ti=throw,cast,overcome;a=the...of,belonging to;maha,mahamaha=liver,seat of affection)、「すっくと立ち・はだかっている・肝がすわって・いる(皇子)」(「マハ」のH音が脱落して「マ」となった)
「オホ・ア・マハ」、OHO-A-MAHA(oho=spring up,wake up,arise;a=the...of,belonging
to;maha,mahamaha=liver,seat of affection)、「すっくと立っている・肝がすわって・いる(皇子)」(「マハ」のH音が脱落して「マ」となった)
「タカムア・ハラ・ヒラウ・ノホ」、TAKAMUA-HARA-HIRAU-NOHO(takamua=fire,front;hara=a stick bent at the top used as a sign that a chief had died at the place;hirau=be caught,be entangled;noho=sit,settle)、「氏族の首長の墳墓の・前に・(皇位を継ぐべき皇子が幼少であることに)困惑して・座っていた(皇后。天皇)」(「タカムア」のUA音がA音に変化して「タカマ」と、「ヒラウ」のAU音がO音に変化して「ヒロ」と、「ノホ」のH音が脱落して「ノ」となった)
「オホ・イア・マト・ネイ・コ・アマイ・ノ・ヒラウ・ノホ」、OHO-IA-MATO-NEI-KO-AMAI-NO-HIRAU-NOHO(oho=wake up,arise;ia=indeed;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;amai=giddy,dizzy;no=of;hirau=be caught,be entangled;noho=sit,settle)、「(夫の死に)びっくりして立ち上がった・実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(自ら天皇位に就いて天智・天武の皇子たちを抑えて草壁の血統に皇位を継がせることに奔走した)・きらきらと輝く(美貌の)・(皇位を継ぐべき皇子が幼少であることに)困惑して・(ただ)座つていた(皇后。天皇)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」と、「ヒラウ」のAU音がO音に変化して「ヒロ」と、「ノホ」のH音が脱落して「ノ」となった)
「ウ・(ン)ガウ」、U-NGAU(u=breast of a female;ngau=bite,hurt,attack)、「乳房(胸)が・(囓られて)無い(皇女)」(「(ン)ガウ」のNG音がN音に、AU音がO音に変化して「ノ」となった)または「フノノイ」、HUNONOI(cold,shivering,dry)、「冷たい(皇女)」(H音と語尾のI音が脱落して「ウノノ」となった)
「タ・ララ」、TA-RARA(ta=the...of,dash,beat,lay;rara=twig,rib,scorch)、「小枝の・ような(痩せている。または肋骨が見えている。皇女)」
「ア・マノ・マハ・ムフ・ネイ・トイ・イオ・オホ・チ」、A-MANO-MAHA-MUHU-NEI-TOI-AU-OHO-TI(a=the...of,belonging to;mano=heart,thousand,host;maha=many,abundance;muhu=grope,feel after,push one's way through bushes;nei,neinei=stretch forward,reaching out,wagging;toi=move quickly,encourage,incite;io=muscle,tough,obstinate;oho=spring up,wake up,arise;ti=throw,casy,overcome)、「手を伸ばして・どこまでも・周囲を手探りで進むような・気持ちで・あった(天皇で)・(若年で皇位に放り込まれて)就けられて・びっくりして立ち上がって・疲れを知らずに・駆け抜けた(天皇)」
「イア・マト・ネイ・コ」、IA-MATO-NEI-KO(ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls)、「実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(年少で天皇位に就いた。天皇)」
「カル」、KARU(rags,spongy matter enclosing the seeds of a gourd,snare,eye,head)、「(スポンジのように)軟らかい(弱い性格の。皇子)
日本根子天津御代豊国成(やまとねこあまつみしろとよくになり)姫天皇
「イア・マト・ネイ・コ・アマ・ツ・ミ・チロ・トイ・イオ・ク・ヌイ・(ン)ガリ」、IA-MATO-NEI-KO-AMA-TU-MI-TIRO-TOI-IO-KU-NUI-NGARI(ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;ama=thwart of a canoe,outrigger of a canoe;tu=stand,settle;mi=stream,river;tiro=look,survey,examine;toi=move quickly,encourage,incite;io=muscle,tough,obstinate;ku=silent;nui=large,many;ngari=annoyance,disturbance,greatness,power)、「実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(不改常典を掲げて遺詔により皇后ではないのに(皇太子妃・先帝の生母として)即位し、首皇子を天皇とすべく行動し、平城京に遷都した)・船の舳先に・陣取って・水の流れ(世の中の動き)を・観察していた・疲れを知らずに・駆け抜けた・寡黙だが・強い・力をもっていた(姫)」(「トイ」のI音と「アウ」のAU音がO音に変化した「オ」が連結して「トヨ」と、「(ン)ガリ」のNG音がN音に変化して「ナリ」となった)
「アヘイ」、AHEI(able,possible within one's power)、「(何でもできる)能力がある(皇女)」(語尾のI音が脱落して「アヘ」となった)
「イア・マト・ネイ・コ・タカ・ミヒ・ツ・キオ・タラチ」、IA-MATO-NEI-KO-TAKA-MIHI-TU-KIO-TARA-TI(ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;taka=heap,lie in a heap,prepare;mihi=greet,admire,sigh for;tu=stand,settle;(Hawaii)kio=projection,protuberance;tarati=spurt,splash)、「実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(皇后・皇太子妃ではないのに前例なしに天皇位についた)・高い地位にあって・尊崇すべきものが・あった・突出して・全力を奮るった(姫)」(「ミヒ」のH音が脱落して「ミ」と、「キオ」が「キヨ」となった)
「ヒ・タカ」、HI-TAKA(hi=raise,rise;taka=heap,lie in a heap,prepare)、「(天皇という)高い地位へ・引き上げられた(皇女)」または「(首皇子へ皇位を引き渡す)準備のために・高い地位に就いた(皇女)」
「イヒ・タカ」、IHI-TAKA(ihi=split,separate,ray of the sun,power,authority,charm;taka=heap,lie in a heap,prepare)、「光り輝く・高い地位に就いた(天皇)」
「ヌイ・ヒノ(ン)ガ・ミヒ」、NUI-HINONGA-MIHI(nui=large,many;hinonga=doing,undertaking;mihi=greet,admire)、「大きな・(天皇として立派な業績を上げ、さらに皇位を皇太子に伝えるという)仕事をやってのけた・尊敬すべき(皇女)」(「ヌイ」のUI音がI音に変化して「ニ」と、「ヒノ(ン)ガ」の語尾のNGA音が脱落して「ヒノ」と、「ミヒ」のH音が脱落して「ミ」となった)
天璽国押開豊桜彦(あめしるしくにおしはらきとよさくらひこ)天皇
「アマイ・チ・ルツ・クニ・オチ・ハラキ・トイ・アウ・タクルア・ヒコ」、AMAI-TI-RUTU-KUNI-OTI-HARAKI-TOI-AU-TAKURUA-HIKO(amai=swell in the sea,giddy,dizzy;ti=throw,cast,overcome;rutu=clash,dash down,be agitated with anger,storm;(Hawaii)kuni=to burn,kindle;oti=finished;haraki=preposterous,extraordinary;toi=move quickly,encourage,incite;au=rapid,whirlpool,firm,intense;takurua=winter;hiko=move
at random or irregularly,flash,shine)、「燦然と光り輝いている(天皇で)・(藤原広嗣の)争乱を・鎮圧した・国の灯を・消して(都を離れて)・異常なことに・つむじ風のように・駆け抜けて・冬の時期に・(東国へ)あてのない旅に出た(天皇)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」と、「ルツ」が「ルス」から「ルシ」となった)
「オ・ピト」、O-PITO(o=the...of,belonging to;pito=end,extremity,navel,offering to the god)、「(文武天皇と宮子夫人の嫡出の男子に皇統を伝えたいという関係者の願いを一身に背負って生まれてきた)最後の(望みの綱であった。皇子)」
国風諡号なし
「タカ・ノホ」、TAKA-NOHO(taka=heap,lie in a heap;noho=sit,settle)、「(光明皇太后および淳仁天皇よりも)高い地位に・居る(天皇)」(「ノホ」のH音が脱落して「ノ」となった)
「アヘイ」、AHEI(able,possible within one's power)、「(何でもできる)能力がある(皇女)」(語尾のI音が脱落して「アヘ」となった)
廃帝。国風諡号なし
「オホ・オヒ」、OHO-OHI(oho=spring up,wake up,arise;ohi=grow,be vigorous)、「(思いがけず皇太子となって)びっくりして立ち上がって・元気を出した(王)」(「オホ」の語尾のO音と、「オヒ」の語頭のO音が連結して「オホヒ」となった)
46孝謙天皇と同じ
「アマイ・ムフ・ネイ・タカツ・(ン)ガツ」、AMAI-MU-NEI-TAKATU-NGATU(amai=swell on the sea,giddy,dizzy;muhu=grope,push one's way through bushes,stupid;nei=to indicate continuance of action or sometimes merely sequence of events((Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind);takatu=prepare,bustling,wriggle;ngatu=crushed,mashed)、「燦然と光り輝いていた(天皇で)・手探りで・次々と(または世の中を揺るがす騒ぎを引き起こして)・あたふたと・(皇后と皇太子を)抹殺した(天皇)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」と、「ムフ」のH音が脱落して「ム」と、「(ン)ガツ」のNG音がG音に変化して「ガツ」から「ガス」となった)
「チラハ・カペ」、TIRAHA-KAPE(tiraha=face upwards,exposed;kape=pass by,reject,pick out)、「(皇位に就くことを)拒否する・態度を示した(王)」(「チラハ」のH音が脱落して「チラ」から「シラ」となった)
「イア・マト・ネイ・コ・アマイ・ツ・ヒ・ツ(ン)ギ・イア・テラ・ツ」、IA-MATO-NEI-KO-AMAI-TU-HI-TUNGI-IA-TERA-TU(ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;amai=swell on the sea,giddy,dizzy;tu=stand,settle,fight with,energetic;hi=raise,rise;tungi=set a light to,kindle,burn;tera=that,yonder,the other)、「実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(予想外の父の即位・他戸皇太子の廃太子を承けて天皇位に就き、母の出自を高めた)・光り輝くものが・ある・高い地位に登って・灯を灯した・実に・もう一人の(他戸親王とは別の)皇太子で・あった(天皇)」(「アマイ」の語尾のI音が脱落して「アマ」と、「ツ(ン)ギ」のNG音がG音に変化して「ツギ」となった)
「イ・アマ・ペ」、I-AMA-PE(i=past tense;ama=outrigger of a canoe;pe=crushed)、「舷側の浮き材が・壊れて・しまった(思想・行動が不安定な。親王)」
日本根子天推国高彦(やまとねこあめおしくにたかひこ)尊
「イア・マト・ネイ・コ・アマイ・オチ・クニ・タカ・ヒコ」、IA-MATO-NEI-KO-AMAI-OTI-KUNI-TAKA-HIKO(ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;amai=swell on the sea,giddy,dizzy;oti=finished;(Hawaii)kuni=to burn,kindle;taka=turn on a pivot,revolve,go or pass round,be completely encircled;hiko=move at random or irregularly)、「実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(財政の立直しと行政改革に執念を燃やし、退位後に薬子の乱を起こした)・光り輝いた・(いったん)国の灯を・消して(退位して)・再び戻ろうとした・各地を(病気療養等のため)転々とした(天皇)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」となった)
小殿(をての)親王(幼名)
「オ・タイ(ン)ゴ」、O-TAINGO(o=the...of,belonging to;taingo=spotted,mottled)、「そばかすが・ある(親王)」(「タイ(ン)ゴ」のAI音がE音に、NG音がN音に変化して「テノ」となった)
安殿(あての)親王
「アテ・(ン)ゴ」、ATE-NGO(ate=liver,heart,spirit,high feeling;ngo=cry,grunt)、「(内)心が・(満たされずに)ぶつぶつ言っている(親王)」(「(ン)ゴ」のNG音がN音に変化して「ノ」となった)
国風諡号なし
(参考)嵯峨(さが) 「タ(ン)ガ」、TANGA(be assembled,row,division of persons)、「(多方面にわたる)能力を兼備した(天皇)」または「(その周囲に)文人グループを集めた(天皇)」(NG音がG音に変化して「タガ」から「サガ」となった)
神野(かみの。賀美能)親王
「カ・ミノノ」、KA-MINONO(ka=take fire,be lighted,burn;minono=beg)、「情熱的に・(あらゆるものを)求め続ける(親王)」(「ミノノ」の反復語尾が脱落して「ミノ」となった)
日本根子天高譲弥遠(やまとねこあめたかゆずるいやとお)尊
「イア・マト・ネイ・コ・アマイ・タカイ・ウツ・ル・イア・トフ」、IA-MATO-NEI-KO-AMAI-TAKAI-UTU-RU-IA-TOHU(ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;amai=swell on the sea,giddy,dizzy;takai=wrap up,wind round;utu=return for anything,satisfaction,reward,make response;ru=shake,agitate,scatter;ia=indeed,current;tohu=mark,company or divosion of any army,point out(tohunga=skilled person,priest))、「実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(嵯峨天皇に続き自らの皇子がありながら先帝の皇子を皇太子とし、散骨という希代の薄葬を厳命した)・光り輝いた・(勘解由使・巡察使を派遣し、良吏を積極的に登用するなどの改革を行って)実に・官僚群を・まとめ上げ・志気を・鼓舞した(天皇)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」と、「タカイ」の語尾のI音と「ウツ」の語頭のU音が連結して「タカユツ」と、「トフ」のH音が脱落して「トウ」となった)
大伴(おほとも)親王
「オホ・トモ」、OHO-TOMO(oho=spring up,wake up,arise;tomo=be filled,pass
in,enter,begin,assault)、「(薬子の変により廃された高丘皇太子に代わって皇太子に立てられて)びっくりして立ち上がって・(皇太子の地位に)就いた(親王)」
日本根子天璽豊聡慧(やまとねこあめしるしとよとゑ)尊
「イア・マト・ネイ・コ・アマイ・チ・ルツ・トイ・イオ・トヘ」、IA-MATO-NEI-KO-AMAI-TI-RUTU-TOI-IO-TOHE(ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls;amai=swell on the sea,giddy,dizzy;ti=throw,cast,overcome;rutu=clash,dash down,be agitated with anger,storm;toi=move quickly,encourage,incite;io=muscle,tough,obstinate;tohe=towhe=persist,be urgent,refuse)、「実に・深い湿地がある(大和国の)・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした(漢詩から和歌への移行等唐風から国風文化への転換を推進した)・光り輝いた・(承和の変の)争乱を・鎮圧した・疲れを知らずに・駆け抜けた・(皇太子恒貞親王を廃し関係者を罰することに)抵抗した(天皇)」(「アマイ」のAI音がE音に変化して「アメ」となった)
正良(まさら)親王
「マタラ」、MATARA(untied,untwisted,untangled,distant)、「(しがらみに)とらわれない(自由に行動する。親王)」
古代天皇の国風諡号には「ヒコ」、「イリ」、「タラシ」、「ワケ」、「ヤマトネコ」などの語彙が頻出する特徴があります。これらの語彙については、第1ですでに解釈しましたが、概括しますと次の通りです。
記紀は、「ヒコ」に「彦(ひこ)」、「日子(ひこ)」、「日高(ひこ)」の漢字をあてています。
この「彦(ひこ)」は「身分の高い男子の呼称」と、「日子(ひこ)」は「太陽(神)の子」と、「日高(ひこ)」は「高句麗王室の姓である”高”氏の血統を継ぐ者」などと解釈する説があります。
しかし、第1の各項において明らかにしたように、「ヒコ」には2種類あると考えられます。
その1は、「ヒ・コ」、HI-KO(hi=raise,rise;ko=addressing to males and females)、「高貴な・男子(または女子)」(身分・性状名)で、2は「ヒコ」、HIKO(move at random or irregulatly)、「(各地を)遍歴した(人)」(事績名)です。
第1代神武天皇の「神日本磐余彦(かむやまといはれひこ)尊」の「彦」は2で「東遷した」の意であり、その父の「天津日高日子穂々出見(あまつひこひこほほでみ)命」の「日高」は身分・性状名の1で「高貴な・男子」の意、「日子」は事績名の2で「釣針を求めて海神宮へ往復した」の意です。
記紀の国風諡号の「ヒコ」はそのほとんどが2の事績名です。記紀に本拠地を離れて旅行した事績の明らかな記載がないものや、「イリ・ヒコ」、「タラシ・ヒコ」など形容詞を伴う「ヒコ」については一応1の身分・性状名「ヒ・コ」として解釈しておりますが、天皇である以上高貴な身分であることは当然で、語呂をよくする以外に改めて呼称に加える必要はなく、隠された遍歴の事績があったのではないか(たとえば大陸・半島からやってきた渡来人であったという出自を隠したなど)という疑念を拭い去ることができません。この「ヒコ」の用法は、国風諡号だけでなく、他の神名や、人名についても同様です。
なお、「ヒ・コ」の「コ」は、平安朝以降は女子の呼称となりましたが、古代においては男女ともに行われた呼称で、蘇我馬子、藤原(中臣)鎌子、小野妹子の「子」など枚挙に遑(いとま)がありません。
記紀に頻出する「入(いり)」は、「イリ」、IRI(be elevated on something,be published,a spell to influence or attract or render visible one at a distance)、「呪術で(何かを)成就した」または「呪術で(知りたいこと(原因または結果)を)目の前に現出させた(夢の中で見た)」の意と考えられます。この「イリ」を氏族名とし、「イリ王朝」の存在などを説く説があります。
しかし、第10代崇神天皇の「御間城入彦五十瓊殖(みまきいりひこいにゑ)尊」の「イリ」は「(疫病の蔓延対策を)夢占いによつて知つた」の意、第11代垂仁天皇の「活目入彦五十狭茅(いくめいりひこいさち)尊」の「イリ」は「(次の天皇を決める)夢占いを行った」の意で、それぞれ個人の事績名です。
記紀に頻出する「足(たらし)」も氏族名とし、「タラシ王朝」の存在などを説く説があります。しかし、第1の各項において明らかにしたように、「タラシ」には3種類あると考えられます。
その1は、「タラチ」、TARATI(tarati=spurt,splash)、「全力を奮った(人物。事績名)」の意で、第6代孝安天皇などはこの意味と思われるます。なお、第12代景行天皇、第13代成務天皇、第14代仲哀天皇などもこの意味のほか、次の第2の意味を併せ有していると考えるべきでしょう。
その2は、「タラ・チ」、TARA-TI(tara=point,peak,gossip,brisk;ti=throw,cast,overcome)、「(良くない噂)ゴシップを流した(人物。事績名)」の意です。上記のように第12代景行天皇は、1の意味も有しているほか、この意味も併せ有しており、第13代成務天皇のように「ワカ」と連結して「ワカタラ・チ」、WHAKATARA-TI(whakatara=gossip,scandal,chaff,banter;ti=throw,cast,overcome)、「(良くない噂)ゴシップを流した」となるもの(事績名)や、第34代舒明天皇のように「ヒ」と連結して「タラ・チヒ」、TARA-TIHI(tara=point,peak,courage;tihi=summit,top,lie in a heap)、「最高に・抜きんでていた(人物)」となるもの(性状・性格名)もあります。
その3は、「タラチ」、TARATI(tarati=spurt,splash)、「水しぶきをあげた(犠牲者の血を迸ばしらせた人物。事績名)」の意(事績名。第35代皇極天皇)があります。
これらの「たらし」の意味が以上のいずれであるかは、天皇の事績によって判断しなければなりません。いずれにしてもこれを氏族名の一種とするのは誤りです。
記紀に頻出する「別(わけ)」も氏族名とする説があります。
しかし、この「ワケ」は、「ワカイ(ン)ガ」、WAKAINGA(distant home)、「(大和の地以外の)遠いところに住んでいた(人物。事績名)」(AI音がE音に変化し、語尾のNGA音が脱落して「ワケ」となった。マオリ語では、名詞形のNGA音はしばしば脱落します。)の意です。例えば、第12代景行天皇は九州征伐などで大和を留守にしていた期間がながかったことによるものと考えられますし、第15代応神天皇は九州で出生し各地を転々としていたことによるものです。これは他の神名や、人名についても全く同様です。
記紀に頻出する「日本根子(やまとねこ)」は、「大和朝廷の基礎を支えた」天皇の尊称の意と解する説があります。
しかし、この「イア・マト・ネイ・コ」、IA-MATO-NEI-KO(ia=indeed,current;mato=deep swamp,deep valley;(Hawaii)nei=to rumble as an earthquake,sighing as of the wind;ko=addressing to males and girls)、「実に・深い湿地がある(大和国)の・(世の中を揺るがす)騒ぎを引き起こした・人間(人物)」(「ネイ」のI音が脱落して「ネ」となった)の意と解します。
「ヤマトネコ」と称する天皇は、おおむね次の四つの時期に分散しています。
その第1は、一時期を画する第10代崇神天皇の直前の、いわゆる欠史八代のうちの第7代孝霊天皇、第8代孝元天皇および第9代開化天皇の諡号です。
その第2は、第21代雄略天皇の血統が断絶する直前の第22代清寧天皇の諡号です。
その第3は、覇業を達成したが継承すべき直系の子孫に恵まれなかった第40代天武天皇の後の第41代持統天皇から第44代元正天皇までの中継ぎ天皇の諡号です。
その第4は、平安朝を開いた第50桓武天皇に始まる四代(第52代嵯峨天皇を除く。)の諡号です。
1 平成18年4月1日
49光仁天皇の白壁王、50桓武天皇の山部親王の解釈を修正しました。
2 平成18年10月10日
23顕宗天皇の弘計(をけ)尊、袁祁之石巣別命、24仁賢天皇の億計(おけ)尊、大脚、大為の解釈を修正しました。
3 平成19年2月15日
インデックスのスタイル変更に伴い、本篇のタイトル、リンクおよび奥書のスタイルの変更、<次回予告>の削除などの修正を行ないました。本文の実質的変更はありません。
4 平成19年6月1日
11 垂仁天皇の活目入彦五十狭茅の解釈の一部を修正しました。
5 平成19年7月1日
「ヤマトネコ」の解釈の修正等に伴い、7孝霊天皇、8孝元天皇、9開化天皇、11垂仁天皇、22清寧天皇、41持統天皇、42文武天皇、43元明天皇、44元正天皇、49光仁天皇、50桓武天皇、51平城天皇、53淳和天皇、54仁明天皇の項の解釈の一部を修正、第2の5「ヤマトネコ」の項を修正しました。
謚号にみるように、第6代孝安天皇の時に天皇位を失い、第7代孝霊天皇は天皇位を回復すべくその基礎を造る努力をし、第8代孝元天皇はそれを受けて武力により天皇位を奪還し、第9代開化天皇はさらに天皇位を強固なものとするよう奮戦していますから、「大和の地を揺るがした大きな軍事行動を行った天皇として、この謚号が贈られたものでしょう。
これは、天皇に子が無く、恐らく皇太子を定めずに崩じたため、大きな騒ぎを引き起こし、飯豊皇女から第23代顕宗天皇に至るまでの間、大和国を混乱させたとしてこの謚号が贈られたものでしょう。
持統は自ら天皇位を継いで天智・天武の皇子たちを抑え、草壁の子孫に皇位を継がせるために奮戦し、文武は持統の後見の下で年少で即位し、元明は文武の早世を承けて皇后ではないのに即位して平城京への遷都を実行し、元正は皇后・皇太子妃ではないのに即位して首の立太子を推進したという世の中を揺るがす事績を残しています。
桓武は、予想外の成り行き(父光仁の即位・他戸皇太子の廃太子)で皇位を継ぎ、専制君主として政務・軍事を主導し、長岡京・平安京の造成に着手する等正に世の中を揺るがし、平城は財政の立直しと行政改革に執念を燃やし、退位後に薬子の乱の騒ぎを起こし、淳和は自らの子を皇太子とせず、散骨という希代の薄葬を厳命して物議を醸し、仁明は朝廷を唐風から国風文化へと転換するという革命を実行しました。
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U R L: http://www.iris.dti.ne.jp/~muken/
タイトル: 夢間草廬(むけんのこや)
ポリネシア語で解く日本の地名・日本の古典・日本語の語源
作 者: 井上政行(夢間)
Eメール: muken@iris.dti.ne.jp
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