
【続々々々・捜査】
セントポールに戻ったエンヴォイたちは手分けをして手掛かりの調査を開始します。
トルネード出版の張り込みはトムが担当する事になりました(私立探偵の彼には打ってつけの任務でしょう)。しかしトルネード出版にくららが出入りする事はありませんでした。また、社長のトーマス・バーカーの出入りもないことが確認できました。
スティーヴとニコラスはロス博士の家の地下室(資料室)を改めて調査します。
CM:調べるのなら<捜査>で段階判定をどうぞ。
ニコラス:H成功。
CM:OK。壁際の作業台の脚の後ろに古い冊子があることに気付きました。作業中に気付かずに落としてしまったまま、そこにはまってしまったように見えます。書物の表紙にはこのように書かれています:「個人日誌」。
ニコラス:よし。読んでみます。
CM:しかし、何と日誌はラテン語で書かれています。<ラテン語>でL成功以上を出せば読めます。
スティーヴ:<ラテン語>、読めます! 段階判定はH成功。
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ロス博士の日記
(最後の3日間の書き込み)
2011年2月26日
謎めいた失踪事件の背後にある何らかの力を、調査によって不完全にしか明らかにできなかった事が恐ろしい。件のグループは見逃す事のできない能力によって選ばれたのは明らかだが、なぜこのエリアなのか? アンノウンのエージェントが、ある特定の場所に結びついているのか、あるいは通りのどこかに強力な作戦基地を設立したかのどちらかに結論付けざるをえない。そうした場所の調査を続けよう。
イーストサイドの施設から、昨日、2人のホームレスが行方不明になったと報告された。いつも通り、メディアは「警察は何もできない」と不平を言うだけで終わった。いつもの事だ。もしかしたら被害者は死んだのではなく行方不明になっただけなのかもしれないが、実のところ期待はしていない。
2011年2月28日
調査継続中。しかし、今回は多少の成功を収めた。失踪が起こった現場が、繁華街の10ブロック四方のエリア内に収まる事が分かったのだ。残念ながら、期待していたほどこのエリアを狭められていない。このサイズでは、ブロックのエリアを絞り込むのは難しい。事件の発生エリアは1平方マイル以上なのだ……この大都市で現場を絞り込むのは難しい。とりあえず、調査の枠組みはできたと言ったところだ。
最近、犠牲者が増えたという報道はない。警察の調査(おそらく無気力なものだったとは思う)がアンノウンを怖気づかせ、少しの間ではあろうが、その陰謀の進行を止めてくれたのなら良いのだが。一方、おそらくさらに何名かのホームレスが行方不明になった事は顧みられていない。
2011年3月2日
最後はちょっと幸運だった。2日間、調査中の都市へ車で行ってきた。そのエリアで20名ほどの人々が行方不明になっているにもかかわらず、路上で何名かの貧困者を見かけた。こうした人々の頑健さは見過ごすべきではない。しかし、彼らが周囲の平均的な人々から受ける注目度から判断すると、彼らがアンノウンにとって格好の標的なのではないかと思える。世界が超自然に目を向けないのと同様に、人々は彼ら社会の不幸な部分を無視する傾向がある。アンノウンが彼らを餌食とする事と、我々の世界が彼らを無視する事、果たしてどちらがより悪いのか。
彼らの内の2人と話をした後、私は彼らの多くが毎晩行く、公共の施設がある事を知った。近くの施設デイモン=プライヤー・センターに、毎日の終わりに地元のレストランや近所の住民から食べ物を持ち寄って、そこに来た人であれば誰にでもそれを配るのだ。興味を覚えて、ジャーナリストを装って、施設のまとめ役と話をした。私は誰がこのホームレスへの施しの先頭に立っているかを知りたかったが、それ以上のものを見つけ出した。
最近の不況により、施設の慈悲深い寄贈者の大部分が手を引いて、今はたった一人しか残っていなかったのだ。その場所、バーカー・キッチンは赤字を覚悟で施しを続けていた。施設への食べ物の寄付の半分以上が、いまやこの店からのものなのだ。
私はその時、アンノウンの追跡で荒んでいて、このカフェテリアの気前の良さに感情レベルで不信感を抱いた事を告白しなくてはならない。運が向いてきたと、そう思った。直感にしたがって、私はその住所まで足を運んだ。
大喜びしたとは言わないが、ここが私が明らかに《アンノウンの感知》ができた、最初の場所となった。ここが源だ! 失望にもかかわらず、技能は客観的なままだった。アンノウンの存在を見出すや、私は市の記録で持ち主と建築計画を調査した。アンノウンにとって理想的な場所である事が判明した。バーカー・キッチンが建てられていたのは、郡の下水道維持施設として使われていた場所だった。計画は明らかだった。バーカー・キッチンの地下は下水道の修理に使われるトンネルと部屋の迷路になっている。施設の管理施設として機能は40年前に閉鎖・放棄されて、地下への入り口はすべて閉じられた。分かった限りでは、施設への2つの入り口がいまだに存在するようだ……1つはバーカー・キッチンの中に、もう1つは隣の廃店の中に。
今夜、自分の推論を確かめてみるつもりだ。そのエリアで活動しているのが何者かについては確信はもてないが、それは新しいタイプのアンノウンかもしれない。窮乏やその類の状況を餌にするクリーチャー(チョーアの類)なのかも知れない。万一の場合に備え、あらゆる用心をして立ち向かうつもりだ。上手く行けば、管理施設に入って、調べまわる事ができるだろう。上手く行かなければ……。
きっと首尾よく明らかになるはずだ。 |
スティーヴ:ん〜? バーカー・キッチンに通じる下水道からの道はなかったんですよね?
CM:見つかっていないね、今の所は。
ニコラス:半年くらい前の日付か。下水道管理施設はバーカー・キッチンの敷地にもかかっているんだよね?
CM:施設の規模から言って、7533番地の隣のバーカー・キッチンの地下にも下水道維持管理施設があると言うことは当然できるでしょうね。調査したあのエリア周辺全体の地下に「放棄された維持管理施設がある」と言うことができるでしょう。
スティーヴ:意味があるか分かりませんが、バーカー・キッチンを調べてみますか?
トム:家捜しするなら夜でしょうな。
ニコラス:忍び込んで、地下への入り口を探すわけ?
スティーヴ:う〜ん。正直言って、行って何を探すのかすら分かりませんが。かなり細い線だと思うんですよ。
【潜入:バーカー・キッチン】
CM:ではキッチンの閉店時間を待って、現場にやってきましたよ、と。現在は午後9時過ぎです。
トム:ではガチャガチャっと行きますか。<開錠>……(コロコロ)……今度は成功(笑)。
エンヴォイたちはダウンライトがかすかに店内を照らすバーカー・キッチンへと忍び込み、調査を開始します。
店舗内でオーナー(ジェイソン・ドッブズ)やマネージャー(ケリー・ウィン=ジェフリーズ)、その他の従業員の集合写真を見つけますが、写真にはトーマス・バーカーは写っていませんでした。
オフィスではトルネード出版のトーマス・バーカーが、約1年半前にキッチンを買収したという公文書を発見します。バーカーがキッチンの持ち主であるというのは、公的にも間違いないようです。売買契約書に不審な点はありません。また、ホームレス支援施設デイモン=プライヤー・センターからの感謝の手紙も見つかりました。キッチンがセンターに食べ物の寄付を行なっていたことも、やはり間違いないようです。
スティーヴ:この横の小さな部屋に入ってみましょう。
CM:そこはフリーザーですな。冷蔵肉やチーズなどの要冷蔵品がキャビネットに置かれています。古いバスタブの中に白い紙でくるまれた肉のパッケージがたくさん放り込まれています。
スティーヴ:肉はどこかの生肉所で加工されたものですか?
CM:そのような事を示す表示は見当たりませんが、どうやら挽き肉のようです。肉を見てみたので、<肉知識>とかの技能があったらロールして良いよ。
スティーヴ:(笑)。<医療分野(外科)>ならありますが。
CM:それで良いでしょう。
スティーヴ:M成功。
CM:実験に使ったことのある動物の肉とは、何かどこかが違っている印象を受けます。
トム:食用の肉ではない、と?
CM:いえ、とりあえず食用として挽かれてはいます。
スティーヴ:「ただし、何の肉かは分からん」。……人肉かどうかの識別は付きませんか?
一同:!
CM:残念ながら、この状態(冷凍挽き肉)では。
エンヴォイたちは調査を続け、明らかに不審な壁の出っ張りを調べて隠し扉を見つけ、下へ通じる階段を発見します。

降りていくごとに強まる下水の臭いに裏付けられるとおりに、階段の先は下水道管理施設の隠し部屋(Area 6、7)へと通じていました。7533番地とバーカー・キッチンが地下でつながっていたということは、これで証明されました。
また、別の隠し部屋(Area 3、4、5)を見つけたエンヴォイたちは、そこに何者かが拘束されていた形跡を発見します。そしてそこから通じる部屋に大型の肉挽き機とさまざまな刃物、骨用ノコギリ、肉きり包丁があり、乾いた地が部屋の床と壁を覆っていました。まだ乾ききっていない粘度を持つ大量の血は、これらの恐ろしい器具が最近まで使われていた事を示しています。
ニコラス:「キッチンがデイモン=プライヤー・センターに食べ物を寄付していた目的は何だ?」
スティーヴ:「あの正体不明の肉をホームレスに食べさせたかったんじゃないか? あの肉を食べた人間を増やしたかった。それにどのような意味があるのだろう?」。
ニコラス:「あの肉の分析をしなくてはならないな」。
CM:これがロス=ミニオンがやっていた事と繋がりを持つとすれば、皆さんはロス=ミニオンの家で……。
ニコラス:この肉を食べていた可能性はある。バーカー・キッチンでも出されていたとすれば、尚更だね。バーカー・キッチンで食事したしね。思い出して「うっ……!?」と口元を押さえます。
トム:バーカー・キッチンの従業員がグルになっている可能性もあるねぇ。
ニコラス:バーカー・キッチンの誰までがこの事件に関与しているのか? ウェイトレスまで全員? キッチンの従業員を捕まえて、尋問した方が良いのか?
スティーヴ:……時系列を整理すると、バーカー・キッチンが食べ物を寄付し始めたのは持ち主がトーマス・バーカーに代わってからですよね? ここ1年半で従業員の入れ替わりがなかったとすると、従業員全員がミニオン化している可能性はありますね。こうなったら、出版社に乗り込んでみますかって話になりますよね。
CM:出版社のデニス・リードが死んでいるのは間違いないしね。
スティーヴ:こうなったらトルネード出版に行くしかないですね。正直言って、他に有力な手掛かりはありませんので、もう夜も遅いですし、多少強引ではありますが。
CM:確かに。時間は……午後11時過ぎというところだね。
ニコラス:う〜ん。
【突入:トルネード出版】
トルネード出版にアンノウンが存在するという確証はないが、ロス=ミニオンの創造者を追い詰めるための新しい展開に向かう事を願う。君たちはドゥルジ・ナスを装った陰謀の犠牲者にして手下のデニス・リードが出版社の副社長として働いていた事を知っている。このつながりが偶然の一致であるはずはない。
トルネード出版はガラスと鋼鉄でできた超現代的な外観を持つ大きな2階建ての建物だ。入館エリアは多くのガラスパネルに囲まれた広い中庭だ。鉢植えの植物が窓際に並べられ、大きなカーブしたデスクが入り口ドアの正面に位置している。デスクには警備員らしき男性が一人座っている。
ニコラス:《アンノウンの感知》。成功。
CM:このビルからアンノウンの気配が感じられます。
ニコラス:やはり!
CM:(警備員)「このような夜分にどのようなご用件ですかな?」。
トム:「実は急なビジネスの件で社長に会いたいのですが、トーマス・バーカー氏はいらっしゃいますか?」。
CM:(警備員)「申し訳ございません。バーカー氏はお会いになれません。でも、今から2週間後に会えるようにアポイントを入れておくことはできますが?」。
ニコラス:「こちらにはいらっしゃらないのですか?」。
CM:(警備員)「バーカー氏はとてもお忙しいのです。もし「どうしても」というのであれば、マネージャーに取り次ぐことはできますが?」。
ニコラス:マネージャー? 誰だ?
トム:警備員よりはマネージャーの方がまだ情報を得られる可能性が高いんじゃない?
スティーヴ:出版社の従業員がどこまで関わっているかは不明なんですよね。まぁ、全員が関わっている事はないでしょうが。
トム:「マネージャーさんにお会いしたいのですが」。
CM:(警備員)「分かりました。すぐに参りますので、こちらでお待ちください」。
警備員は君たちを倉庫と会議室をかねた部屋に案内する。「間もなくマネージャーのトーリー氏がきますので」と彼は言う。それから彼は部屋を出て、後ろ手にドアを閉める。
部屋には数個の箱、長い会議机、12脚の椅子がある。
スティーヴ:さて、どうしますか? トーリー氏を待たずにこちらから出向いてみますか?
ニコラス:社長室に?
スティーヴ:正攻法で行くのはあまり意味がないんじゃね?
ニコラス:社屋に入り込んだからには、強引に先へ進むか?
CM:まぁ確かに、もうかなり夜更けですので、人は少ないですね。この時間から商談とかブラックすぎる(笑)。
スティーヴ:逆に、出版社じゃなければ、2秒で追い返されたでしょうね(笑)。
CM:では部屋から出ようとすると「ガチャ、ガチャガチャ!」。あれ、鍵閉まってるじゃん!
一同:……。
トム:<開錠>。(コロコロ)成功。
CM:扉の鍵は開きました。しかし、部屋の奥からゴソゴソと音がして、部屋の角にある箱がひとりでに動いたように見えます。そして、元々箱があった場所の床から、ゾンビが出現します。
トム:まだゾンビがいるのか!?(笑)
CM:知覚力の一般判定をしてください。(全員成功)奥から嗅ぎ慣れた下水道の臭いがします。
ニコラス:ここも繋がっていたか!? 確かに下水道ならどこにでも繋がりそうだから、それを利用するというのは良い手だが。
スティーヴ:扉は開いているんですから、部屋から出て扉を閉めてしまえば良いんじゃないですか?
CM:なお、反対側(ビルの入り口側)からは防火シャッターが閉まるガラガラという音が聞こえてきます。
一同:マジで!?
トム:とりあえず、このゾンビを倒さなくては話は進まんでしょう。
スティーヴ:もうゾンビやだよ〜。
15体のゾンビが現れ、エンヴォイたちに迫ります。
途中は省きまして、8ラウンドでゾンビたちは殲滅されました。
トム:さて、防火シャッターで閉じ込められているわけだから……。
スティーヴ:ゾンビの出てきた穴から下水の方へ進むしかないですね。
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