Undead & Buried

承前 9月16日 9月17日 9月18日 9月19日・前 9月19日・後 9月20日 9月21日 9月22日・前 9月22日・後 結末


承前

チルマスター(以下CM):あの恐怖の事件(※「Vengeance of Dracula」事件参照)からまたしばらくの時間が経過しています。ニコラスはヤンデレ妹に看病されて、通常の2倍の時間をかけて完治したところです。
一同:(笑)。
スティーヴ前回は過去に類を見ないほど負傷ボックスにチェックが入りましたからね(笑)。
CM:なんやかんやとレベルアップもしつつ、そろそろ季節は秋、現在は9月です。

 数年間かけて、SAVEはあらゆる種類の脅威の克服に取り組み、君たちそれぞれが何らかの方法でそれに参加した。人間の精神というものは何事にも「等級」や「レベル」といったレッテルを貼ってしまいがちなものだが、君たちが立ち向かってきた敵の中に容易に倒せたものなどいない。しかし、今また、かつて君たちが直面したものなど取るに足らないものにしてしまう程の脅威――存在――が、影を投げかけるために現れた。引退したエンヴォイが、調査の必要があるレポートをSAVEに送ってきたのだ。
 ミネソタ州セントポールに住む元エンヴォイ、カイル・ロス博士がレッサー・ゾンビ・マスターのドゥルジ・ナスの存在を示す証拠を送ってきた。SAVEのシカゴ司令部は迅速に対応し、今、君たちがロスの報告にあった緊急事態の調査のために送り込まれた。
 SAVEは移動用のバンを君たちグループに貸し与え、君たちは標準装備パック、レッサー・ゾンビ・マスターに関するマニュアル2Bの抜粋を受け取った。また、SAVEの現在の財政状態を鑑みて、君たちはロス博士の家に泊まる事になる。

ニコラス「マニュアル2B」?
CM:(いそいそとプレイヤーエイドを取り出しつつ)こちらがその2Bです。人数分用意しましたので、どうぞお読みになってください。凄い情報量ですよ(笑)。

レッサー・ゾンビ・マスターに関するSAVEの報告書

 ……この腐敗した皮膚をもつ人型のものは、ことによると最も恐るべきアンノウンであるかもしれないレッサー・ゾンビ・マスター(別名:ドゥルジ・ナス)であり、幸いにも遭遇する事は稀である。コンゴからハイチにかけて、世界中で何例かが報告されている。1980年のアマゾン盆地への遠征が失敗した原因は、他に類を見ないゾンビ・マスターを原因とする可能性があるが(報告書1980-156f参照)、確証は得られていない。

レッサー・ゾンビ・マスター その多様性と悪質さもさることながら、ドゥルジ・ナスが最悪なのはかつてそれらが人間だったという事実だ。人間誰しも、個人的な力を欲する気持ちがあるものだ。それがあまりにもグロテスクに表に出るのを見ると、ショックを受ける。定命の人間が過ぎた力を欲する時、アンノウンと契約をするのだろう。この契約をして活動するエージェントは未だ発見された事はないが、強大なパワーと能力を持つ存在となったと推測される。ある曖昧な言及の中で、「暗き石」と呼ばれるアイテムがドゥルジ・ナスに関連する物として述べられているが、それ以上の調査で分かった事はない。人間がどのようにしてその力を得たかに関わらず、アンノウンに首斬りによる人間の生贄を何人も捧げなくてはならない。契約が果たされたなら、志願者は同じやり方で殺される。正に相応しい最期だ、これが終わりであったならば。

 力に飢えた者の頭と両手は隠され、その胴体部は小峡谷や人里離れた場所に安置される。数日後(3〜7日と様々)、死体は起き上がり、かつての人間時代の精神はアンノウンのパワーによって消し去られるか、押し流されてしまう。こうなると、この存在は失われた頭部と両手を破壊する事でしか活動を止める事ができない。

 ドゥルジ・ナスは死体を集める。力への欲望は、今や完全に死体をコントロールすることに繋がったからだ。ゆっくりと、それは死者の軍団を増やしていく、忌まわしい破壊の開始を命じるために。SAVEのエンヴォイであるカーラ・ピアソン博士は、人間の力への渇望はゾンビ・マスターになる事で増幅され、クリーチャーはパワーを失う事を妄執的に恐れるのだと推測している。ドゥルジ・ナスの破壊は、クリーチャーが鉄壁の守りを強いているために、きわめて難しい事だ(報告書1932-101i参照)。ドゥルジ・ナスほどの極端に破壊が困難な存在が人間を恐れているということは、まったく信じられない事だ。

 ドゥルジ・ナスの破壊方法は1つだけ知られている。頭部と両手を発見してその体の上に乗せ、それから火葬することができれば、永久的に倒す事ができる。残念ながら、それは一筋縄では行かない事なのだが。

 クリーチャーは広範囲に渡って幻覚を使い、死者をコントロールする事ができる。“レッサー”と呼称されてはいるが、ドゥルジ・ナスは恐るべき敵だ。元々、「グレーター・ゾンビ・マスター」とみなされる存在が発見されるまでは、このクリーチャーは単に「ゾンビ・マスター」とだけ呼ばれていた。SAVEはこの忌まわしいグレーター・ゾンビ・マスターが1体しか存在しないようにと願っている。

ニコラス首と両手を破壊すれば活動を止められる?
スティーヴ報告書によると「頭部と両手を発見してその体の上に乗せ、それから火葬することができれば、永久的に倒す事ができる」とありますね。
トムうむ。
スティーヴ身体に弾丸を撃ち込んで動きを止める事はできるんですか?
CM:報告書の内容からすると、それは可能のようだね。
トムゲーム的に言うと、活力が減っていくってわけか。負傷は受けなさそうだね。
CM:皆さんが「ドラキュラなんて小指で捻ってやりましたよ」的な報告書を出したために、このような難しい任務が回されたわけです。
スティーヴいやいやいや(笑)。
ニコラス《アストラル・アーマー》を使うまでもなかったからな。楽勝すぎて一度死んでおきましたよ、みたいな。
スティーヴいやいや、勘弁してください。
トム(笑)。
CM:ではセントポールへ出発。



戻る 「Undead & Buried」トップへ戻る 進む