歩けなくなってきたら…
老化に伴って歩く機能は衰えてきます。
・歩くスピードが遅くなった
・つまづくことが増えた
・すり足になっている
・猫背になりがち
・階段の一段飛ばしがきつい
・階段は手すりなしではコワい
・長く座れず何かにもたれるか横になりたくなる
こんな症状は筋力が衰えている証拠。
放っておけば衰えるばかりですし、
転倒による思わぬ大けがで、寝たきりになるケースもあります。
筋力は鍛えれば改善します。
簡単なトレーニングですから、ぜひ毎日続けて下さい。
■どの筋肉が衰えるか■
筋肉は、速筋、遅筋、中間筋の3つが混じり合った構造になっています。
・速筋…すばやく収縮し瞬発力が出る、短距離走の選手に多い
・遅筋…ゆっくり収縮し持久力が出る、マラソンの選手に多い
・中間筋…速筋と遅筋の中間の性質
老化が進むとまず速筋の衰えが顕著になり、
それから徐々に遅筋が衰えます。
60歳代は20歳代に比べて、足の筋肉量は40%も落ちますから、
当然ながら動作がゆっくりとなり、歩くスピードも遅くなってきます。
ところで、歩くときに大切な筋肉があります。
背骨と太ももをつないでいる大腰筋(だいようきん)という筋肉で、
上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。
大腰筋は姿勢を維持し、歩くときに足を引き上げる役目をしています。
そして、大腰筋は30歳代から衰えはじめ、40歳を過ぎると急激に細くなります。
つまり老化によって、
・速筋が衰える…歩くスピードが遅くなる
・遅筋が衰える…長く歩けなくなる
・大腰筋が衰える…足が上がらなくなりすり足になる、姿勢が悪くなる
というわけです。
なお、大腰筋そのものはほとんど遅筋でできていますが、
遅筋を鍛えるトレーニング(ジョギングやウオーキング)では
大腰筋は鍛えられません。
■筋力アップトレーニング■
筋力アップトレーニングはいろんな方法があります。
できれば専門家の指導のもとで、その人に合ったトレーニングをすべきですが、
家庭で簡単にできるものでも結構効果がありますから、
無理をせずに毎日続けてみましょう。
あまり出歩かない方はトレーニング@だけを、
散歩をよくする方はトレーニングAだけをすればよいでしょう。
トレーニング@
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まっすぐ立ちます。
@片足のももをできるだけ上に上げます
A足を変えて同じことをします
・交互に10回ずつ行います。
・できるだけ何かにつかまらずにバランスを取って 下さい。
・一日に1〜3回、無理のない範囲で行って下さい。
このトレーニングは、
・ももを上げている足は速筋が、
・立って支えている足は遅筋が、
・足を引き上げる動作で大腰筋が鍛えられます |
トレーニングA
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椅子に背筋を伸ばして腰掛けます。
手は座面をつかんでおきます。
@片足を胸に引きつけるように上げます
A足を変えて同じことをします
・交互に10回ずつ行います。
・一日に1〜3回、無理のない範囲で行って下さい。
・足を引きつける時はできるだけすばやく。
このトレーニングは、
おもに大腰筋が鍛えられます |
トレーニングその他
速筋を鍛える |
高負荷で低回数トレーニングが適しています。
例えば、鉄アレイなどを回数を決めてゆっくり行う、など。
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遅筋を鍛える |
ジョギングやウオーキングなどの有酸素運動が適しています。
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大腰筋を鍛える |
上記のトレーニングAの方法や、
椅子に座って→立つを繰り返す方法もあります。
背筋を伸ばし、さっと立ってさっと座るのがよいのですが、
膝に無理がかからないように10回行います。
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