軟骨は減っていくもの
関節の軟骨は年齢とともにすり減り、
露出した神経が刺激し合って痛みを伴うようになります。
特にヒザ関節は重い体重を支えてきましたから減りやすく、
変形性膝関節症の原因になります。
関節痛は、軟骨が減ったり潤滑性がなくなったりすることで起きますから、
材料を補給すればかなり和らげることができます。
■軟骨のはたらきを正常にする栄養素■
関節の軟骨はおおよそ次のような構造をしています。
軟骨細胞を網目状のコラーゲン線維が取り囲み、
すき間をプロテオグリカンが埋めて、全体でクッションの役割をしています。
関節に必要な栄養素といえば、
グルコサミンやコンドロイチンなどをよく耳にしますが、
違いは何でしょうか。
それは、軟骨の中で存在場所が違うということです。
おもな存在場所は次の通りです。
○印のないところでも多少は存在していますが、
○印は特に多い場所です。
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軟骨細胞 |
コラーゲン線維 |
プロテオグリカン |
滑液 |
グルコサミン |
○ |
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コラーゲン(U型) |
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○ |
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コンドロイチン硫酸 |
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○ |
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ヒアルロン酸 |
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○ |
○ |
この表からわかるように、
偏った摂りかたは、どこかの機能を損なうことになります。
しかし、全部を十分に摂るというのはなかなか大変ですから、
最低限、グルコサミンとコラーゲンを摂っておきましょう。
コンドロイチンとヒアルロン酸はグルコサミンからも作られますから。
各栄養素や、それらをサポートする栄養素の働きを下記にまとめました。
摂取量は文献によってバラツキがあります。
あくまで目安としてご覧下さい。
名 称 | 効 果 |
グルコサミン |
グルコサミンはアミノ酸の一種です。
軟骨細胞を形成し、コンドロイチンやヒアルロン酸の主原料でもあります。体内でも生成できるのですが、加齢により生成力が落ちてきます。20代に比べ、40代は25〜30%、50代は20%まで落ちます。
一日の目安:1500mg以上 |
コラーゲン(U型) |
コラーゲンはタンパク質の一つで何種類もありますが、
U型コラーゲンはとくに軟骨に多く存在し、網目状の組織を作って強度と弾力性を保ちます。
軟骨細胞やプロテオグリカンのつなぎの役目をしていますが、年齢とともに減少します。
一日の目安:50mg以上(U型として)。 |
コンドロイチン硫酸 |
コンドロイチン硫酸はムコ多糖類の一つです。
プロテオグリカンの主原料で、プロテオグリカンの80%はコンドロイチン硫酸です。コンドロイチン硫酸は年齢とともに著しく減少しますので、外からの補給が必要です。
一日の目安:2000mg以上 |
ヒアルロン酸 |
ムコ多糖類の一つで関節液の成分です。
保水性がきわめて高く、関節内の滑液の主成分です。プロテオグリカンにも含まれています。老化により、若いときの四分の一くらいに減少します。
一日の目安:50mg以上 |
プロテオグリカン |
プロテオグリカンは、タンパク質とコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸などのムコ多糖類が結びついたムコたんぱくの一つです。軟骨が水分を十分に含み弾力性を維持するために必須のものです。最近はプロテオグリカンのサプリメントも登場しています。 |
MSM |
MSMは有機硫黄ミネラルのことで、生成されるコラーゲンに弾力性を与えます。また、コラーゲンを再構成したり、コラーゲンの材料にもなります。食物からは摂りにくいミネラルです。
一日の目安:500mgの摂取 |
CBP |
CBPは牛乳に含まれる天然のホエイ(乳清)タンパクのことです。プロテオグリカンの合成を高め、軟骨細胞の成長を促します。
一日の目安:10〜60mg |
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