肝臓は巨大化学工場
もし、肝臓が持っている機能の化学工場を作ったとすると、
関東平野くらいの大きさになるという学者がいます。
それほどに肝臓はさまざまな重要な働きをしています。
しかもほとんど一瞬にこなしてしまいます。
その働きを大きく分けると次の3つになります。
|
働 き |
合成工場 |
・古くなったコレステロールや赤血球から胆汁を作る
・細胞膜やホルモンの材料になるコレステロールを脂肪から作る
・アミノ酸から酵素を作る
・アミノ酸から血しょうの成分のタンパク質を作る
・ブドウ糖からエネルギー源になるグリコーゲンを作る |
毒物処理工場 |
・細菌、ウイルス、アルコール、化学物質などの人体に害なものを
分解し無害化する
・古くなった赤血球を肝細胞に無害なように分解する
|
貯蔵庫 |
・胃や腸で吸収された栄養分や水分をたくわえる
・グリコーゲンをたくわえる
・全身の約10分の1に当たる血液をたくわえる |
老化とともに肝臓は確実に機能が低下してきます。
「疲れやすい」とか「酒が弱くなった」なんていうのは
まさに肝機能の低下です。
■肝臓の働きをよくする栄養素■
各栄養素や、それらをサポートする栄養素の働きを下記にまとめました。
摂取量は文献によってかなりのバラツキがあります。
あくまで目安としてご覧下さい。
名 称 | 効 果 |
セサミン |
セサミンはゴマに多く含まれるゴマリグナンの主成分です。
体で発生する活性酸素の7割は肝臓で発生し、肝臓は活性酸素を除去するSODという酵素を作り出して対処していますが、年齢とともにSODは減少します。セサミンは肝臓で発生する活性酸素を重点的に除去して肝臓を守ります。
摂取量の目安はとくにありません(過剰摂取の報告もなし)。 |
アロエベラ |
アロエベラのヌルヌルはアロインという多糖体です。
アロインには強力な解毒作用があり、肝臓の解毒作用を助け、また、アルコール代謝においてもアロエベラは代謝力を高めます。
キダチアロエよりアロエベラの方が強力です。
アロエエキスとして一日50〜300mgが目安です。過剰摂取は強い副作用があり要注意です。 |
タウリン |
タウリンは含硫アミノ酸の一種で魚介類に多く含まれます。
肝臓も自らタウリンを作っていますが十分ではありません。タウリンは胆汁の分泌や肝細胞の再生を促進します。また、アルコールを分解する酵素の働きを助け、アルコール分解を早めて肝臓の負担を軽減させます。タウリンは野菜には含まれません。
一日に700〜1000mgが目安です(過剰摂取分は排泄)。 |
ウコン |
ウコンはショウガ科の多年草です。
ウコンの黄色はクルクミン(ターメリック)という物質で、カレーの黄色はウコンの色です。胆汁の分泌を促し肝細胞の働きを活発化させます。さらに、胃や十二指腸の消化活動も良くなります。
一日に30〜100mgが目安です。 |
ビタミンB6 |
肝臓が自らタウリンを作り出すときにビタミンB6が必要です。
ビタミンBの仲間は協調して働きますので、ビタミンB6単体ではなく、ビタミンB群(ビタミンBコンプレックス)として摂るのが理想です。
|
レシチン |
レシチンは脂質の一種です。ウコンのクリクミンと一緒に摂るとクルクミンの吸収率が300倍もよくなるといわれています。
|
|