AMANO'S
超・究極のBH
超・究極のBHの製作
設   計 ( 1 )
究極のBHとは 超・究極への最適化
良いBHの鉄則 M E N U
 
 
超・究極BH(I,II,III)の正面
中央が初代目(FE206S,Σ;1989年)の上段で
外側の二代目(FE208S,SS;1997年)の上段と互換です
中間は三代目(FE208ES;2000年)です
 
設計のコンセプト
「スワン」から長岡スピーカーにハマッタという人はいっぱいいると聞きます。
私もその一人でした。初めて「スワンa」の音を出したとき、二階からどどっと家内が駈け降りてきて「スゴイッ」と、言ってくれました。以来、良き理解者になって今日まできています。
その後、間もなく「他のスピーカーは聴きたくなくなる」と先生が自賛された「究極のBH」とされるD−55が発表されて、これはもう「我慢できない」でした。
ところが、当時、10畳の洋間には、ピアノ(もちろんアップライト)やD−77 (1985年度ダイナミック大賞部門賞、オンキョー)、スワンaが先住していて、新たにD−55を入れたら、人が出るしかないといった環境でした。
そこで、D−55のスペースファクターを改善するだけでなく、バッフル面積を小さくして、点音源!点音源!と至る所で伝道されていた先生の教えを具体化できないか、と思いを巡らせることになりました。
すなわち、設計のコンセプトはスペースファクターとバッフル面積の改善でした。
 
D−55型の問題点
音道の幅が一定で、その高さだけを変化させる Constant Width(CW)ホーンは、設計(計算や板取など)が楽で、キャビネットとしての納まりも良い。
30年代のアメリカの設計が基本となっているそうですが、これが自作派の心を捉え、普及したのはD−55からではないでしょうか。
コニカルホーンのカスケードタイプから直管のそれにしたD−50へ、これからスタガー部分を省いたD−55へと、さらにシンプルなって、設計だけでなくカッティングや組立も容易になりました。
音楽之友社 ”ステレオ” 1997年7月号82ページ    これは次に復刻
音楽之友社 ”長岡編集長の本「観音力」” 40ページ(1999年)
 
 
 
 
図−1
 
 
D−55の音道
 (補強部分を除く)
D−55の音道断面
 
 
このようにシンプルで美しい音道スタイルのD−55ですが、次の点が気になります。
 
(1)バッフル板が大きい
(2)音道断面が扁平である
(3)スロートから最初の折れ曲がりが180度である
(4)側板の補強に2枚重ねが必要である
 
(1)は鉄則中の鉄則です。
(2)も鉄則です。断面が6cmX36cmという、これほどに扁平なホーン楽器
   の存在を、古今東西、知りません。
(3)気流の乱れやすい180度折り曲げを、ゼロにはできないまでも、最初に
   に設けることは、避けたいものです。ユニットの間近で歪みが生じると、
   コーンを介して、その歪みが前に出て放射されるそうです。
(4)上の断面図から見ての通り、側板の左下の部分を内側から支えるもの
   がありません。D−70は、スタガーで支えられ、側板は1枚でした。
 
(3)と(4)は、CW型でも、設計次第で避けられそうです。
しかし、(1)と(2)は、20cmクラスの強力なユニットを使用して、大きなスロート断面積がほしいとき、CW型のBHが背負う宿命的な弱点です。
 
スワン型の問題点
では、「スワンタイプ」か、となりますが、20cmユニットをこのタイプに適用すると、スペースファクターが問題になります。
その理由は簡単です。
ユニットが選ばれると、空気室容積とスロート断面積はほぼ決ります。
そこで、所望する再生低域周波数に合わせて、音道の広がり率とその全長を決めると、ハコが占める内部空間の体積は、当然、一定の範囲になります。
スワン型では、ヘッドとネックの部分が占める内部空間は、大したことはなく、その空間の大部分を下の胴体が受け持つことになります。
かくして、同じユニット使うとき、スワン型は、CW型より、必然的に、広い設置スペースを要求することになります。
 
というわけで、CW型やスワンタイプと異なる新しい音道スタイルを創作することになり、誕生したのが「積み重ねスタイル」です。
 
 
 
 
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I N D E X
製 作 (特 徴)
設  計 ( 1 )
設  計 ( 2 )
設  計 ( 3 )
板 取 図
組 立 図
組 立 (上 段)
組 立 (中 段)
組 立 (下 段)
最 適 化 (準 備)
最 適 化(基礎データ)
最 適 化(究 極)
最 適 化(超究極)
愛 用 盤
愛 用 機 器
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